☆続・朝の勇気☆

あぁ、昨日から、ループ続行中。うまく説明できないから、説明は諦めて、取りあえず無茶ぶりを謝ろう。

もうすぐライブなのに、大事なドラマーに無理させて、手の平にけがさせちゃって、しかも理由がヤキモチって!もー、恥ずかしくって泣きたい気分。

声を掛けても、無視されたり知らんぷりされたら?ただ話せるだけでもシアワセだったのに!そんなんなったら立ち直れるかな…

今まで何回か会えた時間に来てみたけど、今日は彼をなかなか発見できず、きっとウチに会わないように避けているんだ…と、悲しくて涙目になりかけたとき、

「よっ、おはよ」

「わっ!」

目の前にシーナくんが現れた。ひーっ!

「なんだよ、わっ!て。人をお化けみたいに」

恐るおそる見上げた彼の顔は、いつもの柔和な笑顔だった。アレ?

「怒ってるよね」

「ん、山口から少し話聞いた。…けど、怒ってないよ」

「ホントに?」

「歩こうぜ」

怒ってない?どうして?

ターミナルを抜け、道路に出て、何度か一緒に通った町並みを並んで歩きながら、ウチは彼の次の言葉を、待った。

「「あの」」

しまった、モロ、被っちゃった!

「先どうぞ」

「やっ、そっちから」

「…サワちゃん、困らせてゴメン」

「あの、変なドラムのセッティングも、そう?」

わざとかな?みんな間違えたのかな?うー、でも多分…

「そう。ホントに、ごめんなさい」

「俺にあやまんなくていいよ。サワに、臼井に言ってあげて。ってか、アイツそんなに困ってなかったし。お陰ですごいドラムソロ見れた」

そう!すごかったよね!と、分かち合いたい気持ちをグッと抑えた。すぐ調子乗っちゃう、ウチの悪いクセ。