「私らも自主練しない?てか、その前にそろそろ曲決めよっか」

とアヤ。

「明日、ミーティング兼ねて久々にどこか遊びに行かない?」

珍しくカオリンが提案。

「私、映画行きたい。キンプリのレンくんが出てるやつ」

と由依。

映画…、シーナくん好きって言ってたなぁ。映画館なんて最近全然行ってないけど、予告編で何か面白そうなのが見つかるかも。

「のった!映画行こ?映画!」

「なに、マユ、やけにノリがいいね」

とカオリンが小突いてくる。

「いいね、映画。塩バターポップコーン食べたいわぁ」

アヤがのってくれたら決まり!ああ、楽しみ。



☆映画館☆

由依の観たいジャニーズの『うちの執事が言うことには』は朝と夕方の二回だけで、みんなで朝の9:10の回に決めた。待ち合わせはイオンシネマ新百合ヶ丘の売店前現地集合、8:30。

シーナくんを映画に誘いたいウチは、下見を兼ねて少し早めに来ていた。久々の映画館は、グッズの探索やロビーで次々に観られる大きな画面の予告編ビューイングも楽しく、わくわくした。

みんなと一緒も楽しいけど、これがデートだったらなぁ。最後に拓斗とデートしてからもうずいぶん経つけど、いつも行きたい場所とか聞かれなくて、相手任せだったな。

想いに耽っていると、カオリンが来た。

「よっ、早いね」

「へへー、張り切っちゃった」

「次回の、下見?」

ヤバ、この子にはいつも見透かされちゃうなぁ。

「うん、まぁ」

「応援してるから」

「ありがとう」

誘う勇気なんてまだないけど、いつか好きな人と来れたら。

「おーい、いたいた」

アヤと由依が一緒にきたぁ。

「早くポップコーン並ぼ!」

めっちゃポップコーン好き(笑)、アヤ。

「その前に私、トイレ~🚺」

いつもトイレの近い由依。一気に賑やかになって、みんなでわちゃわちゃ喋るのは、ホントに楽しかった。

そう、あの二人を見つけるまでは。