☆何者?☆

今日も集合は視聴覚室。

ウチらはもう決まったけど、まだバンド組めてない人たちも結構いて、先輩たちが掛け持ちで入って下さったり、色々相談会的な?

最初はシーナくん効果でドラム希望者が多かったけど、徐々に落ち着いてきた感じ。

「そう言えばマユ、軽音に来なかったけど、一人めっちゃドラム上手い子いたんだってよ?」

「えっ?シーナくんより?」

「わかんない。吉田部長情報」

ふっふっふ。嬉しそうに微笑むアヤ。すごいな、早速部長とお近づき?

シーナくん。
いっぱい誘われてるのになかなかバンドに入んないのはなんで?机に腰掛けて、スティックくるくる回してる。

「おっ、来た!」

吉田部長の声でみんなの目が入り口のドアに集まった。

色白で、ショートカットのかわいい子。
皆が一斉に見たせいか、頬がサッとピンクになった。えっと、たしか1組の…。華奢な肩に、やけに年季のはいったスティック・ケースを掛けている。
コレってもしかして!

床に落としたスティックを拾って、シーナくんが彼女を見つめている。

いつもクールな吉田部長のテンションの上がりっぷりから、彼女がただの新入生じゃないことがわかった。アヤに目配せしたら、ウンウン、たぶんソレソレ!目で語ってきた。