「わわわわわ、すごい、すごいよ、色がメッチャ、好き」
「平野の顔見てる方が面白い」
「ほらほらほらみてみてみてみて」
「花火、めっちゃ好きやん、自分(笑)」
「ウン。大好き。ひとりでも来たかも」
瞳が輝いて、嬉しそうに微笑む。
「バッカ、あぶねーだろ」
「ウソウソ、一人じゃ来ないよ、さびしーじゃん」
「うおお、デカい!」
「ヒャー!」
ヤバい、平野のテンションが、ウツッタ…
夜空を、どこまでも真っ直ぐに駆け登り、想いを伝えて、玉砕!ダメだとわかっていても、止まらない。
まるでオレらみたいな…
でも、決して惨めじゃない。
そこまで突き進まずにいられない想いって、そうそうないもんな。
「いいな、花火」
「いいっしょー、花火!」
平野と、目が合った。
ラスト近くも、もうここぞとばかりにバンバン上がった。あー、爽快!
「やっぱり来てよかった。サイトー、ありがとね」
「オレも、久々にちゃんと見たよ、花火」