[令和元年 狛江・多摩川花火大会]
人混みに流されるまま、会場の多摩川緑地公園グラウンドにたどり着いた。
着いてすぐ、威勢よく打上げが始まった!
「うっわー、綺麗!間に合ってよかったぁ!」
「最初っからスゲェ飛ばすなぁ」
気前良く、のっけからバンバン上げる。いいな、このスピード感。
「ピンク!きれい。桜!」
平野の浴衣の紺地に散らした花模様に似ていた。
女子ってこういう光り物やイルミネーション、めっちゃ好きな。野郎ばっかと来ると、花火そっちのけで馬鹿話したり、なんか食ってたりするから、あんまりひとつひとつじっくり観ない。気づけばナイアガラの滝に移行して、あっと言う間にクライマックスだったりする。
「ピンク」
「?」
「似合うよな」
「ウチ?ありがとう!」
もう、満面の、笑み。
全然謙遜しないのが、こいつのいいところ(笑)。
きっと、大事に可愛がられて育ったんだろう。
ちょっと抜けてるけど、すぐに何でも表情に出てしまう、わかり易い純粋さが、なんだかオレは、好きだった。
好き?そうだな、こいつ、好き。シナユーの次に。
両方好きって、いわゆるバイセクシャル?
知らんわ、そんなん。
勝手にラベリングされたくない。
自分にとってどれだけ大事に思えるか、基準ってそこだろ。