‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐告白‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
気づけば、朝。
「佑。たすくってば、たすく!」
目を開けると、目の前で微笑む、薄茶の大きな瞳。いつもは朝弱いはずのコイツに起こされるとは。
「わりぃ、俺ベッド占領しちまったな」
前髪をかきあげながら、シナユーがすまなそうに呟く。
「でも、おかげで久々にガッツリ寝れた!」
「そいつはよかった」
血色もいいし、目の輝きが違う。リラックスして寝れたってことだよな。変な気起こさなくって正解!
シチュエーションは微妙だけど、好きなヤツに起こしてもらうなんて…至福。ニヤケ顔を噛み殺して、洗面所に向かう。
「お母さんでかけちゃったけど、ご飯用意してってくれたよ」
ホントだ。オムレツ久々だな。
兄二人はもう家を出ていて、親父は単身赴任。
ホントに、二人きりだー、ヤバい!なんで今日に限って出掛けんだ、天然!
「ゆうべ、何か俺、色々グチって、わりぃ」
オムレツを食べながら、シナユーが目を合わせないで言った。
「いいよ。何でも話せよ」
普段自分のことは殆ど語らないコイツが、心を開いて話してくれたのが、嬉しかった。
「佑って、助かる。あっ、シャレじゃなくて(笑)。俺を、そのまんま受け入れてくれるから」
「そのまんまも何も…お前っていいヤツじゃん」
「うーん、わりと誤解されやすいというか、天パでチャラついて見えるせいかな」
顔だ、顔。
顔がかわいすぎんだよ。
「真っ直ぐにしてみたり、五分刈りにしようと思ったこともあったんだけど」
「真っ直ぐ、覚えてるよ、別人」
あれはあれで、イケメンだったけどな。
「五分刈りは、ちょっと想像つかねぇな」
「猫っ毛で立たないから止めときなって床屋のオッサンが」
「五分刈りで毛が寝るってどんだけ(笑)」
「なっ?いいんだ、俺はこの天パで生きていく」
「そうだよ、お前らしく。似合ってるんだからいいじゃん」
「サンキュ」
オムレツに目線を落としたままで、ちょっと恥ずかしそうに、笑った。可愛いなー、クソッ。