なんか、そういうの多くねぇか、少女マンガとか女子がキャーキャー言うドラマって。お互い両想いなのに、不信感を募らせてすれ違い…とか、アホくさ!

「そんな冷静にジャッジするあたり、桜井こそ初めてじゃなくね?」

「マジ?それは気づかなかった」

余裕なかったから…しょげるシナユー。それ見ろ、きっと相手の方が経験値が上。

モテるヤツはモテるヤツなりに大変なんだな。引き合いが多いぶん、自己愛じゃない本物の愛情を、自分の良さをわかってくれる相手を、たくさんの候補から、選ばなきゃならない。

果してコイツは選んでんのか?来るもの拒まずだからこんなことに…。

ん?

何か静かだと思ったら~! オイ、寝んなよ、もうー。


静かな寝息をたてて眠る、シナユーを見ていた。
長い睫毛の、閉じられた瞼の下に薄青色の…クマ(笑)。何日寝てねぇんだ、コイツ。


…いつまで見ていても、飽きない。

洋楽を聴かないオレでも知ってるエアロスミスの、ヒット曲のフレーズが浮かぶ。なんだっけ、アルマゲドン?目をつぶるのがもったいないとかそんな感じの歌詞。

いつかコイツが、スッゲェベタだけど、いいよな?って聴かせてくれた曲。

今まで、数知れず会話して、笑い合って、見つめてきたコイツの顔が、すぐ近くにある。

いつも見ているのに、間近で見るシナユーの顔には、新鮮な感動があった。

髪、とか肌、とか、ホントに綺麗だな。

何食ったらこんなんなるんだよ、一体。はぁぁ、とよくわからん溜め息がもれた。