まてよ、オレの場合、シナユー、結城限定か。他の男子とか、マジ想像つかねーし。

好きになることは、相手が自分にとって特別だと認識すること。いつから特別に?

ハロウィンがきっかけかもしれないけど、もしかしたらその前から何か感じるものが、有ったのかもしれない。

愛情の反対は、無関心。
興味を持つっていうことは、「好き」の始まりなんだ。

チャラそうにみえて、真面目で一途。
リア充に見えて(まぁ実際そうだけど)、オタクでマニアック。
なよっとして見えるが、正義感が強く、相手を見て態度をコロコロ変えたりしない。
几帳面なようで、無頓着で抜けてる部分もあり、かわいい顔に、少し掠れたハスキーな声。

ギャップの嵐か…。
ギャップある方がモテるんだよな。

オレなんか、メガネをかけてる通り、近眼。外したらイケメン!という少女マンガ的な展開もない。
脚が速いのを見込まれて、なんとなく陸上部。だから速くても意外性なし。

女子は好きだけど、初対面ジャッジに敏感なためか、そういう計算のない子がいいけど、なかなかいない。

オレに無いものをいっぱい持ってるシナユーのこと、羨ましいから入って、いつの間にか惚れちまったんだろうか。


惚れるって何?

なんなんだ、この感情。

なんだかよくわからない。

でも、学校生活で出逢ったどの人間よりも、シナユーが一番大事で出来ることならずっと一緒にいたいのは、確か。


ドラムのあの子と一緒に歩く姿を見て、どうしようもなく落ち込んだのは、ヤツの、あの子に対する愛情に気づいてしまったから。


そう、嫉妬していたんだ。