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「あんた日本人?だったら俺の女買わない?千バーツ」脱北者売春婦取材でタイ・チェンコンに取材で行ったときのこと。
ただでさえ田舎の売春宿に日本人のポン引きがいたのには驚いたけど、自分の彼女を同じ日本人に売ろうとしているアホがいたのにはビックリした。

林康治二十八歳関西出身。彼は関西の某大学を卒業後五年間地元の銀行に勤め在学中ボランティアで来たラオスが忘れられず、銀行を退職してラオスに行き、そこでラオス人少女M(当時十六歳)と知り合った。
「なぜタイの売春宿でポン引きしているの?」「ラオスのフエサーイで彼女と知り合いタイに来たがお金がなくなり彼女を説得し売春をさせている。俺が客一人見つけると店から百バーツもらえる」「彼女が客取っているとき君はどう思っているの?Mのこと好きなんだろう?」「Mが客を取っているときは何も考えないようにしている。そして、時々ラオスに行って女性を売春宿に連れてくると一人につき五千バーツもらえる。いい稼ぎになるよ」「何、人身売買もしているのか。どういう方法で女性を集めるの?」「貧しい農家に若い女性がいると親にタイのレストランで働けば一ヶ月八千バーツになる。と言って前渡し金として一万バーツ渡す。前渡し金は倍にして返してもらう。俺は日本人だからラオス人は信用してくれるし上手くやっているよ」北ラオスの女性はモン族・中国人の混血が多く美人の産地としても有名だ。
「多くの両親は娘の収入を誇らしげに話すが、どうやって稼いでいるかの事実は知らないようだ。親は、娘たちがレストランや衣服メーカーで働いていると思い込んでいる」と林は言うが同じ年頃の娘達が一年働いても稼ぐ事ができない金を毎月送金してきて帰郷のとき派手な服を着て帰れば、どんな世間知らずの親でも薄々感づいているはずだ。
「売春婦になるのは恥ずかしい事ではない。なぜなら両親にお金を返す手段だから」と村の文化を逆手にとって
「娘達が大金を稼いでいるということにプライドを持つべきだ」と両親をも説得する斡旋業者もいるという。

「いつこの仕事から足を洗うんだ?君の彼女は今十七歳だ。タイでは重罪だ。逮捕されたら二十年以上刑務所にぶち込まれるぞ」と私が言うと「店は地元の警察に毎月金を払っている。捕まるわけがないよ」。
東南アジアにはこの手の日本人が増えた。日本では何も出来ない、だから海外に出てくる。
日本で使えない人間が海外に出ても生きていけない事を何故分からないのだろう。

「ラオス北部の村では子を持つなら男の子、娘より息子という考えが伝統的にある。男の子には価値がある、女の子は悪を持って生まれてくる。だから丁重に扱われ、家族の中では高い地位につく。タイ・ラオスの男性は一生に一度仏門に入る事によって徳を積む習慣がある。男は出家する事により、両親に感謝の気持ちを表すことが出来るが、女の子はそういうことは出来ない。普通、両親は娘達に感謝の気持ちを表させるために、家族のために一生懸命働きなさいという。そして売春は家族に富をもたらし、両親に義務を果たす新手の手段となった」とチェンライ大学のソムチャイ教授から聞いた事がある。