普段あまり使用していないフリーメールをなんとなく確認していると
懐かしい名前からメールが届いていた。
結婚したよ
という内容のもの。
男性として見たことはないけれど、「いい人」という好印象だったから
自然の流れで彼の出張に合わせて会うことにした。
久しぶりの再会。
私も結婚していたけれど、子供はおらず5年以上セックスレスが続いていたから
久しぶりの再会にやましい期待を寄せていた。
雰囲気のいいバルのカウンターで会話がはずみ、いつの間にか
「さちはS?M?」
といったくだらない下ネタに発展していた。
この手の質問にはあきあきしていたけれど、どうせ信じることはないだろうと思って
正直にSだと告げると、彼は嬉しそうに「僕はMだよ」と応じた。
学生の頃から「犬みたい」とは思ってはいたけれど、ありがちな「奉仕してほしい」
程度のMだろうと思って軽くあしらった。
店が混み始め、店員から時間だと告げられて外に出ると手を繋いできた。
期待はしていたものの、長い付き合いの中でセックスを予感させる行動に出てきたことは
なかったので戸惑った。期待していたくせに。
すぐにホテルに行く気にはなれず、カフェへ移動したけれど隣との席が近かったことも
あって確信に迫ることができなかった。
別れ際に彼が
「楽しかったら頻繁に来ちゃうかも」と言ったことに対して返答はしなかった。
それは
「私を楽しませてくれたら会ってもいい」と私こそが言いたかったことだから。
改札を通った後も、私の姿が見えなくなるまで最後まで見送っていた。