いつもそう
○に行きたいという娘
行きたいと言うなら行こう
見つかるかもしれない
でも見つからなければと
じいちゃんもばあちゃんも賛成する
ふたりでバスに乗る
一番うしろの座席に座る
テーマパークと言うには華やかさがなく
それでもしっかり手をつなぎ
笑顔を隣りに見ながら歩き回る
ショップに入ると
傘をセルフカスタマイズできるコーナー
へえー、こんなビジューつけられるんだ
あ!この水色の折りたたみ傘きれい!
布からも選べるし既製品にデコることもできるんだって
かわいい!どれにしようかな~
視線が出口に固まる
何人かの人に混じり眼鏡の女性がいた
そのひとは娘を知っていて
娘もその人を知ってるようで
反射的に娘を抱きかかえて
近くのフィッティングに入る
女性が出口の向こうに静かに声をかける
先生、あのこです
娘をさらにぎゅっと抱きしめる
待ってください!連れて行かないでください!
別の白い服を着たひとがひょこっと現れて
娘の背後から
娘のお尻辺りをポンっと触れ
わかってるでしょ?と声?をかける
娘はお腹あたりにうずめる顔を一瞬上げて
わたしが背が高いから
一番うしろの席にしてくれたんだね
とほほ笑む
(一番後ろが一番見つかりにくくて長くいられる設定らしい)
いのちより大事な子なんです!お願いです!
叫んで 目が覚めた
1着も持ってない紅葉色の赤レンガ色のようなスカート
ありがとうと聞こえた気がしたのは
声だったのか
いつもそう
物語は 自分の行いは
命は
本当のことに気づいたときには
もう取り返しがつかない
感染までしたのに
あさましくも生きる自分に
価値などないのに
あいたいよ
大好きだよ
あいたいよ~…