優さ暮れ -5ページ目






書くことが仕事じゃなくてよかったなと染み染み思う。もう、はっきり書くことなんてない。別に日記を書きたいわけでもないし、もうブログだって何なのかわからない。誰に読ませたいのかも分からないし、自分でも何を書いたらいいのか分からない。

誰かに言葉を送ることで、なんだか勘違いしたりされたりで、どうにもこうにも。僕のメッセージは、奇をてらったわけでもないけど、正反対のニュアンスで伝わり、あやまるにもあやまれず終い。

カッコつけて言えば、言葉はいつだって、言い過ぎるし、言い足りない。ちょうどいいとかいまだに、分かんない。
傷つくつもりもないのに、傷ついて、傷つけるつもりもないのに、傷つける、言葉はいつだって。そうじゃないときも、あるんだろうけど。

なんだかんだ10年ブログって来たわけだけども、なんにも変わってないとしか思えない。ってか10年前はここグラビアブログだった。
そのころ人気があったグラビア女優たちの写真を無断で載っけて、検索にひっかかるような卑猥ワード満載にして、そこにポエムを添えるという、なんとも昔のプレイボーイとかSPAとかの巻頭みたいな屑ブログだった。ただ、自分自身があまりにもグラビアに興味がないことと、やっぱり肖像権的な問題とかもあって、全部消した。

あの頃は、アクセスがあるだけで楽しかった。1000人来てた閲覧がすぐに2000人になって、倍々になっていって、ランキングがジャンル1位なんかになるのが面白かった。
その当時、伊東美咲とかすごい人気だったのを覚えている。昨日だかネットニュースで見かけたその伊東美咲は、なーんか清楚で上品なオバ様みたいな感じになっていて時代を感じた。








駅前の地べたで、「詩」を売り物にしている人がいる。なんか、筆で「涙も失敗も明日の君が輝くため」みたいな頭湧いている言葉を延々書いてる。それを、ポストカードにして販売している。それを、髪の毛を金色に染めた少しも上品ではない女性やセットしたんだかしてないんだかわからない黒髪をなびかせた少しも清楚ではない女性たちが買ったりする。僕もあんなふうに、「詩」を売り物にして生きていくんだと思っていた。でも僕の書いた3650ものポエムはひとつも売れなかった。その代わり、僕はネクタイを締めすり鉢でひいた精神と脳味噌を顔に塗りたくり笑顔を売り歩く。

風俗好きで有名になった芥川賞作家は、「詩」なんて怠けてるだけだろ!?って言い放った、ワンカップ大関ジャンボを片手に。おっしゃるとおりでございます、と僕は画面こちらで頭を下げる。
売れない詩は、詩じゃない。手をつなげない恋愛は、恋愛でもなんでもない。食えないオムライスが、オムライスじゃないように。

終わりにはいつも、明るい言葉がほしくなる。抽象的で繊細を装った、まるで詩のようなやつ。ウソついてんだか、ごまかしてんだか、モテたいんだかハッキリしないお得意の言い回し。

また、春がくる。
ぼくのゲットーガーデンにも、春がくる。






今度は
なにか決定的な言葉を言って
詩はいらないから
なにか決定的な言葉
私の心をえぐるような
私の心がすっかり変ってしまうような
たとえば恋をしてしまうような
誰に向かってんだかもわかんない
曖昧で中途半端な比喩はもういらない
バカみたい
私が何回だって言ってあげるから
バカみたい
バカみたい
詩はいらない
詩なんてバッカみたい
10年過ぎても手さえ握れない






KIMOCHI - e

きもち、がないから
きもちいい、がわからない

きもち、がないから
きもちわるい

しんこうもしゅうきょうも、ちっともわからないけど
あさのつめたい空気のなかで、手をあわせました

ほんものの、きもち

ずっとずっとまえに、ころしてしまった
ごめんね、ごめんね、きもち

あの日きみに、ころされそうだったから
ころしてしまったんだった、きっと

ひじょう階段のおどりばで、手をあわせました
はるかした、くるまのフロントガラスはこおりに包まれていました

手もこおりそうで、あわせた手をこすりました
6時なのに太陽があって、雲がキレイでした

しにたくないのに、あのひとしんじゃって
いきたくないのに、いきちゃってるバカがいる

ずうずうしいのしってる
どんなくるしくってもいい

かみさま、きもちをください
おかねでもほうせきでも、かえないきもち





歩きつかれた らありつける



”なにもかもそろってる”はずのコンビニ棚の前で絶望している
おそらく気持ちのリミッター制御みたいなのが勝手に働いて
どんどんどんどん追い込まれていく気分になるんだろうね
お前はこの世に必要ないお前はこの世にいらない
陳列された商品もすれちがう人も
視線が合うとニラミつけてくる気がして
ずっとうつむいているしかなかった
部屋に戻ってなんとか生きている心地にありつける
生きているというか生きていていいと許される心地というか
そういう気持ちに
君の言葉を読んでやっとありつける