「六ノ七の常連さんに、たまたまシンゴさんがお二人いて、

愉快な仲間の「シンゴ会」が年に数回開催されてるよ」

逗子育ちのゆうこは六ノ七の常連で、シンゴ会のメンバーだ。

「日本酒呑んべえの集まり、いいね。参加したい。

でも鎌倉ってすごく遠いから一泊必要だよね」

「……片道1時間ちょっとだよ。日帰りだよ! 」

一笑に付され、いざ、夏の鎌倉へ。

 

ゆうこと鎌倉駅で落ち合い、地魚のお鮨を堪能して、

二人してインスタ映えするソフトクリームまで食べて、少し海岸を散歩。

 

       立ち寄った長谷の鮨屋「山もと」

 ここで飲んだのが鯖に合わせるという「SABA de SHU」

 

そして今回はシンゴ会の方にこの連載の取材もさせていただこうと決め、六ノ七へと向かう。

集まったシンゴ会の皆さんでお店はすでに賑やか。

人見知りの私でもすぐに溶け込めてしまう、ほどよい大人な距離感が嬉しい。

 

 

六ノ七 店主の久美さん。

「日本酒は私のおすすめを中心にスタンダードなものから

新しいものまで銘柄にこだわらずセレクトしています。

造り手さんが丹精込めた日本酒を良い状態で提供し、お客さんに喜んでもらいたい。

常連さんはもちろん日本酒好きで、

銘柄を決めずいろいろなお酒を楽しんでくださる方が多いですね。

そしてなぜか皆さん歌が好きで、だんだん酔ってくると歌い出すんですよ(笑)」

 

六ノ七は2019年のオープン以来、

地元の日本酒好きはもちろん鎌倉を訪れる観光客も集う

立ち呑みスタイルのお気さくなお店。

 

いつも25種類ほど揃う日本酒はどれも一杯500円〜、おつまみ小皿は500円

 

     締めは久美さんのおにぎりがオススメ

 

久美さんご自身は、

「日本酒が好きな理由は、日本酒の味だけでなく、

日本酒が生み出す場の雰囲気なんですよね。

たわいのない話も楽しい、サロンのような場が生まれるから」

 

実はこの7月から独立してオーナーになったそう。

「不安で一杯な独立を、常連さんたちが後押ししてくれたんです。

感謝の気持ちも込めて今まで以上に居心地のよいお店にしたいと思って」。

日本酒のグラスには、そんな久美さんの心も注がれている。

 

シンゴ会メンバーで常連のナタリーさん。

「日本酒は去年くらいからよく呑むようになりました。

少し辛いアジア料理を作ることが多くて、

日本酒と合わせたら結構相性が良かったのがきっかけです。

寒い季節は頻度も上がります。おでんを作ったら絶対に飲みますね」

 

お好きな日本酒は...

「辛すぎず、甘すぎずの日本酒ですかね。

上品な吟醸より、雑味も生きた純米酒が好きだと思います。

このお店でおしえてもらった「赤武」がとてもおいしくて、

一升瓶で買ってしまおうかと悩んでいるうちに店頭からなくなってしまいました(笑)」

 

          こちらは赤武の夏酒

 

六ノ七には仕事仲間でもあるシンゴ1号さんのご紹介で通い始めたそうで、

「お店の魅力はなんといっても久美さんです。

かつカウンターが高めで久美さんと視線がぶつかりすぎないし、

他のお客さんともいい具合に距離があるので、私には気が楽で心地いいんです。

それに日本酒好きの人ってただただ美味しい、

ただただ楽しい、という感じで呑んでいる人が多いように思います。

そういう飲み会、本当にいいですよね」。

 

シンゴ2号さん、恵子さんご夫妻。

あるとき久美さんが「シンゴさん」と呼んだら二人が反応したことで、

シンゴさんが二人いることが判明。しかも同じ歳。同じ漢字! 

 

シンゴ2号さん。

「はじめて六ノ七に来たとき「よこやま」を初めて飲んだんですが、

そのときシンゴ1号さんが「ちょうど先日この酒蔵に行ってきました」と話されまして、

盛り上がって意気投合したんですよ。

たまたま名前も一緒やし、またこの店で呑みましょう、

なったのがシンゴ会のはじまりなんです」。

まさに日本酒が紡ぐ縁。

 

恵子さん「家でももちろん日本酒のみますよ。季節ごとにお酒を変えていて、

それに合うおつまみを用意する感じ。

だからお酒ありきでおかずやおつまみも決まる(笑)。

家にいつも一升瓶が一本はあるよね」

 

  店内には集まる人々の笑顔を収めた写真が飾られている

 

うんちくなんて面倒なものはいらないよ、日本酒を楽しもうよ。

日本酒と日本酒を囲む場への皆さんの愛が、

控えめに言っても最高の雰囲気を生み出していた。

とりとめのない話も面白い。日本酒は人を呼ぶ。暮れゆく鎌倉も美しい。

 

久美さん、シンゴ会の皆さま、ありがとうございました!

 

 日本酒専門店 六ノ七(ろくのなな) 

神奈川県鎌倉市笹目町6−7 鎌倉笹目座 2階 

0467-38-4448 最寄りは江ノ電 和田塚駅 https://rokunonana.com/ 

 

文/上田祥子

写真/yOU