「Temple St.」 | ノーナ・リーヴス オフィシャルブログ「LIFE」Powered by Ameba

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西寺郷太・奥田健介・小松シゲル NONA REEVES



皆様

西寺郷太です。

昨日、初めて制作したソロ・アルバム、「Temple St.(テンプル・ストリート)」出来ました!

全8曲。トータル・タイム42分。
僕が十代の頃、繰り返し聴いていた80年代のLP、名盤達のように46分テープにすっきり収まる作品です。

僕はノーナ・リーヴスとしての音楽活動をスタートさせた95年春から、ありがたいことに一度もバンドを休止・解散することなく、続けて来ました。ギターとキーボード担当の奥田健介、ドラムの小松シゲルとの三人体制は、性格がそれぞれ全く違うこと、個々の持ち場がはっきりしていることもあり、かなり上手く機能していて、基本的に飽きっぽさと、異様な執着心の入り交じった性格の自分が、「面白いなぁ」「最高だなぁ」と気がついたら、もうすぐ20年近い日々を迎えるほどになってます。

で、今回のソロなんですが、基本「ノーナが嫌になった」とか「ソロで全然別の音楽性を探求したい」とか、そういう強い狙いがあって作ったものではありません(ノーナも今、まさにニュー・アルバム制作中です!)。

ただ、割とずっと昔から、あくまでも「時が来たら」という条件付きですが・・・「ノーナが『スティーリー・ダン』とするならば、自分にとっての『ナイトフライ』、つまりドナルド・フェイゲンのソロ作のようなアルバムを作ってみたいな」という願望はありました。

聴いてもらって、どうでしょうか?

軸にある音楽性は、さほどノーナと変わらない気がします・・・。

ただソロ名義であるが故の、「独特の責任の取り方」「パーソナルなポップさ」のようなものが、今なら追求出来るんじゃないかな・・・、と半年前にふと思ったこと、それは間違ってなかった気がしてます。

色んな意味で「時が来た」、のかもしれません。

アルバムのプロデューサーは僕自身。

共同プロデューサーに宮川弾さんを迎え、弾さんの武器であるゴージャスかつストレンジなストリングスやブラスのアレンジを中心に、作曲でもコラボレーション出来たことは興奮の連続でした。

割とコンセプトは決めず「時の流れ」のようなものに任せつつ、夏、秋、冬とアルバム制作を続けましたが、結果的になんとティト・ジャクソン(ジャクソンズ/ジャクソン・ファイヴ)にギター、コーラスで参加してもらえたり、彼の誘いでレコーディングや撮影のためロサンゼルスを訪れ、その時の情景を冨田謙さんにプロデュースを委ねた「サンタモニカ」で描くなど・・・、すべてのピースがカチッとはまる夢のような体験の繰り返しの中で「Temple St.(テンプル・ストリート)」は完成しました。

奥田や小松にも一曲ずつ参加してもらっています(それぞれ、オリジナリティを生かした最高の演奏をしてくれました!)。

このような「自信作」を作ることが出来て、今、正直心から嬉しいです。



最後に

ちなみに裏ジャケットで、僕がレコーディング卓の前で物思いにふけっているのは、ロサンゼルス郊外エンシノにあるマイケル・ジャクソンとジャクソン兄弟・姉妹の自宅スタジオ。

美しい邸宅の敷地内に作られたこのプライベート・スタジオを「実験室(ラボラトリー)」と名付けたマイケルは、70年代中盤から80年代末に彼が「ネヴァー・ランド」に引っ越すまでの青年期の間、専属エンジニアと共に日夜こもり、曲作りをしていました。

10歳の時、最初に買ったアルバムがジャクソンズの『ヴィクトリー』だった自分にとって、ジャクソンズ作品はもちろん、フレディ・マーキュリーとのセッションや、ライオネル・リッチーとの「ウィ・アー・ザ・ワールド」、そしてアルバム『オフ・ザ・ウォール』『スリラー』『BAD』期の、マイケルの自作曲群が生まれた神聖な場所である、この地を訪れたことは心の震える体験でした。

スタジオまで僕を導いてくれて、ジャケットに使うこともこころよく許可してくれたティト・ジャクソンさんに感謝します。


2014年1月21日
西寺郷太


NONA REEVES西寺郷太初ソロ盤にティト・ジャクソン参加