ヘミングウェイと無人島に取り残された場合。


おじいさん、おじいさん
「今日で『今朝食べたものを妄想で語るスレ』も87日目だよ。」
「そうか。ずいぶんとスレが伸びたものだな。」
「そりゃあそうだ、無人島では、人大杉なんてものがないもの。」
「冒頭から大人の用語が多いな。どこでそんな言葉を覚えたんだ。」
「教えてくれる大人はたくさんいるんだ。ねえおじいさん、おいら、
 知ってるんだ、だいたいこのあとおじいさんは、小舟をつくって
 大物を釣り上げるんだろ。」
「ああ」
「じゃ早く行ってきてよ。年寄りの冷や水って、特に止める理由がないんだ。
 それに腹も空いたしね。かくなるうえは足でも切って食べる羽目になるよ。
 『妄想で海の上のレストランを語るスレ』なんてまっぴらごめんだもの。」
おじいさん、おじいさん、
「まさか釣り上げたはいいけど、引きずっていくうちに小魚にぜんぶ食われち
 まったとか言うんじゃないだろうね」
「ああ」
「じゃあ早く出してよ、獲物はどこなんだい?」
「まあ待て、まずさきに手伝って欲しいことがある。」「いったい何だい?」


「『逃した獲物がいかにデカかったかを年寄りが語るスレ』を」
脱出できない。