炒飯が好きだ。
もしかしたら一番好きな料理かもしれない。
炒飯を作るのはめんどくさい。
一度卵を取り出し、油を足してまた他の具材を炒め・・・・・・、などなど。
簡単！楽々！パラパラ炒飯の作り方！！
みたいなレシピもあるけれどそれではだめ。
きちんと作った炒飯にはかなわない。
だからめんどくさくてもいちいちと工程を踏む。
山登りは苦しく大変な道のりを歩き上るから
山頂から見た景色がとてもとてもきれいに見える。
なんて言う。
それと同じように一生懸命手間暇かけて作ったから美味しく感じるのかもしれない。
と、思うのだが
その手間暇かけた炒飯を食べてだらりだらりと朝から携帯ゲームをこりこり動かしていただけの
けんボーが
「美味しい。」と言うものだから料理というものは本当に興味深いものだな、と思い出す。
今日は仕事が疲れたぞー
明日から地方に出張なのに家のこと全然できないーー
駅の階段を下りると駐輪場の端っこにけんボーとハルが立っている。
さっき電話で「駐輪場で待ってるからねー。」と聞いていたはずなのに
それに近づきながら「あっ、見つけた。」と思う。
花を見て近づいてみる感覚と似ている。
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