漫画「ガラスの仮面」の作者さんが、絶賛していたのを見て、凄く興味が沸いたんですね。
(そしたら、昨日も観劇されてたそうです!
「あれっ、もしかしてあの人って…」と、見かけた方がいたのですが、ご本人だったのかもしれず、うわぁーとなってます)
私の感想としては…
よく場面転換して、ずっと声を張り上げていて、役者さんがよく動く。
いやぁ…これ、一本演じるだけで、相当なパワーがいるよね?
ずっと不機嫌なルードヴィッヒを演じる吾郎ちゃんですが、一日二回公演の日もあるけど、体力勝負でしょうね。
(でも、そこはそれ、昔とった杵柄…か?)
時代背景が、中世ヨーロッパ、フランス革命後のナポレオンの時代。
新しいもの、古きもの、愛、欲、権力、才能、出会い、別れ、希望、絶望…うん、ドロドロだ。
下手すると途中で寝ちゃうパターンのシナリオなのだけど、最後まで起きていられたのは、敏腕ピアニスト2人の演奏あってこそかもしれない。
舞台向かって左右(上手と下手)にグランドピアノが設置されていて、(本編とは切り離されて、幕で仕切られています)場面転換や盛り上がるシーンで、合計30数曲に及ぶ、ベートーベンの楽曲を、2人が演奏するのですが、これがまぁ………素晴らしい。
子供の頃、ピアノ習っていた時に「こどものための練習曲」で、この曲弾いたよなぁ…と、懐かしくなるものですら、音がキラキラ弾けている!
懐かしいより、凄い。
ラストの第九の時の指の動き…!正直、出演者より、ピアノに釘付け←おい!!
吾郎ちゃんは、確かにルードヴィッヒであった。
脇を固める俳優さん達も、適役だった。
(片桐仁の役は、八嶋智人でも面白そう)
暗いムードの中でも、ちょいちょいと笑いを忍ばせていた。
テンポも良かったな。
(でも、そのせいで、淡々と進んでいく感じも受けましたけど)
一つだけ不満なのは、
吾郎ちゃん…ピアノ弾こうよ………。
ってとこですかね。
両脇にプロのピアニストを従えての舞台なわけですが、作曲シーンとか、曲が出来たシーンとかで、何小節かでも良いから、ルードヴィッヒとしてのピアノソロが欲しかった気がする。
耳が聞こえないから、ピアノを弾いても無駄?
頭の中に音があるから、弾かなくても良い?
そういう解釈なのかな。
(私、最後の方、剛力彩芽演じるマリアがサリバン先生で、吾郎ちゃん演じるルードヴィッヒがヘレンケラーのように思えて仕方なかった)
その分、指揮は凄く練習したのだろうなぁと言う程、激しかったですけど。
総合的には…久しぶりに正統派の舞台を観た気がするし、胸にささる台詞もありましたし。
大晦日に急遽配信もあったのですが、これは、生で観て、肌で空気を、音を感じないとダメ!と思いましたし。
まだ公演期間中。
ラストまで走り切れることを願っています。