takahiro
俺たちは、ツアーを翌日に控えている。
前日リハも終わり各々が部屋に戻ろうとした時。
実「〜〜♪」
ギターを持ち、歌い始めた。
一回やって終わりかと思いきや、また最初から。
あ、やっとギターを置いた、と思ったら今度は踊り始める。
彼女は、どこまでもストイックに自分を追い込んでいた。
メンバーのソロ活動が増える中、歌に対する思いを、AAAだけに注いでいる彼女。
「宇野さん、まだ残りますか?私、もうそろそろ上がろうと思ってるのですが…」
実「あ、すいません。上がってください!私もう少し残ります。」
直「やっぱすごいわ。宇野ちゃん。」
隆「うん。努力を怠らないね。」
秀「ほんと宇野ちゃんは、とことん自分に厳しいな。」
光「ああ……それにしても、相変わらず綺麗な声。」
真「なんか、想いが全部伝わってくる気するわ…」
彼女に圧巻される俺たち。
実「よーし、そろそろ終わろっかな……って、みんな、何してるの?」
光「んー?宇野の声聞いてた。」
実「えっ、全然知らなかった…」
秀「すげえ良かったよ。」
真「ほんまに。なんか聴き惚れた。」
実「え〜。調子に乗っちゃうよ。」
直「ギターも上手くなったね。宇野ちゃんの声にピッタリ。」
光「ダンスのキレもいいじゃん。運動音痴には見えない。」
実「ありがとう。いっぱい練習したんだ〜。って、日高くん!運動音痴は言わなくていいの。」
皆が宇野ちゃんを褒める。
嬉しそうに微笑む宇野ちゃん。
そんな彼女に声をかける。
隆「宇野ちゃん。」
実「なーに?にっしー。」
隆「明日は頑張ろうね。」
実「うん!」
どこまでも自分の歌声を追求して、
その曲にあった歌い方を見つけて、
歌詞を理解して、自分なりに表現して、
俺にとって、唯一無二のパートナー。
俺はこれから先もずっと、デュエットするのは宇野ちゃんだけだと思う。
彼女は、俺たちには欠かせない
このグループの歌姫なんだ。
そんな彼女を守っていきたい。
でも、守ろうとする前に自分自身で闘うのが、彼女だ。
END
なんか、たかうの強い(´・ω・`)
留学前ラストのお話です。