先日、夕刻にJR埼京線に乗りました。
軽く満員でした。
ドア付近にいたので乗降時に、十条駅で一旦降りました。
あれ?なんか微妙にヒンヤリする。
赤羽で、人が沢山降りたので、ドアから離れようとする、動けない。
カバンのベルトの金具部分がドアに挟まっていました。
仕方ない。じゃあこちら側のドアが開くのを待つか…と思っていたら、
The doors on the right side will open.
とアナウンスが…
え?rightって右だよね?じゃあ、leftと言われるまで待つか。
だけど、北赤羽も、浮間舟渡も、ずっと
rightを連呼。次はrightで!と期待し続け、武蔵浦和まで来てしまいました。
まさか…もう左は開かないのでは…
人も減って来て、十分な空間があるにもかかわらず、ドア付近にへばりついている人物は怪しすぎる。
近くに非常停止ボタンがないか探した。
ない。でも、もしあっても、押して電車を停めたらおおごとになるかもしれない。
カバンを引っ張ってみた。ビリッ…ベルトが少し破れたけど、金具がどうしても取れない。
よく考えたら、これで、ドアを傷付けたら、器物損壊!?
故意はないけど、過失とか言われるのかな?いやいや、軽過失だし、損害賠償は請求されないはず。 されても、僅少な額のはず…であって欲しい…。
なんかだか、わけがわからない。
だんだん情けなくなって来た。そして、冷たい、隙間風が身にしみる。
まさか、このまま誰にも気付かれずに車庫に行かないよね。
久々にやってしまった。やることもないし。過去にした大失敗の数々が走馬灯のように思い出される。
これは、終着駅まで待つことにするしかない。
さすがに、ドアが開くか、駅員さんが来て乗客を追い出すだろうし。
そして、大宮まで来てしまった。
しかし、左のドアは開かない!
しかも、折り返すみたいで、駅員さんどころか乗客もあまり見当たらない。
まさかの展開。じゃあ、このまま十条まで折り返して、left sideが開くのを待つしかない。っていうか、開くのかな?その前に、なんでアナウンス英語?
軽く困惑して来た。
その時、忙しそうに、駅を走る駅員さんを見かけた。
「すみませーん!」
大声を振り絞った。周りが一斉にこっちを見た。恥ずかしい。
「どうしましたか?」
と駅員さんはかけより、優しい口調で問いかけてくれた。
「ごめなさい。挟まって動けないんです。お忙しかったら。このままこのドアが開く駅まで待ちます。」申し訳ないのと恥ずかしいのとで、声が震えてしまった。
「少々お待ち頂けますか?」駅員さんは、忙しそうに去っていった。
そうだよね。ターミナル駅で、やること沢山あるのに、邪魔してごめんなさい。
しばらくして、上司らしき人を連れて戻って来た。
「お待たせしました。」駅員さんは少し息を切らしていた。
「どうしましたか?」上司らしき人が問いかけた。
「すみません。カバンが挟まって、動けないんです。本当にごめんなさい。」と私が言い終わらないうちに、
「お客様に、お怪我はないですか」
とゆっくり優しく問いかけられた。
怒られると思ったのに、まさかの言葉。
少し、ウルっとしてしまった。
「私は大丈夫です。」
そして、「今、電車が停車してるので、このタイミングで」と停車している間に迅速に対応をしていただいた。
ただでさえ、忙しそうにしてたのに、乗客の心配をするなんて、駅員さんコンビは、ものすごく良い人か、或いは、JRの教育が行き届いているか。
とっさの状況であのセリフはなかなか言えない。
まるで映画のワンシーンのようだった。
JRの駅員さんありがとう。そしてごめんなさい。本当は、大宮駅に菓子折り持ってお礼に行きたいけど、それはそれで変な方向にいったら申し訳ないのて、自粛します。
とりあえず、今後ドア付近は気をつけます。
