前回のつづき
あれは友人と子連れランチをした時のことです。
通りかかったビルのエレベーター前で、
男性が倒れていました。
すでに3人が男性を取り囲んでいます。
①「わたしは看護師だったから」と言っているおばさま
②顔を横に向けてあげている女性(おそらく医療従事者)
③AED準備している警備員
すでに救急車は呼んでいるようです。
行きますか??
この状況…。
わたしも友人も未就学児を各2名連れていましたし、
正直子どもたちは見ない方がいいかと思ったので、
マンパワーもあることだし、
素通りを心に決めていました。
ところが、
「え?行かないの?行きなよ。子ども見てるから…」
友人からの謎の圧。
上記理由を説明するも、
なぜか引き下がらない友人。
頭をかすめる救護義務違反…
心臓マッサージ…やるか…
え、アレ以来じゃん…
めっちゃギャラリーいるやん…
渋々近づいていくと、
男性は呻吟呼吸、失禁、けいれんがみられていました。
すでに警備員が心臓マッサージを始めています。
「近くにたまたまいたんだけど、急に倒れちゃってさ…」
と、おばさまナース。
「あの…代わりましょうか?」
と、警備員に声をかけます。
「大丈夫です!」
なんだか頑なに心臓マッサージを変わらない警備員。
苦笑いする頭側の女性。
「疲れたら代わった方がいいですよ」と、
フォローのお言葉。
あ、別にやりたいわけではないです…。
ふと子どもに目をやると、
緊張の面持ちなのか、
期待の面持ちなのか、
母を見る目がキラリとしていました…。
さっきまで走り回っていたのに、
微動だにしません。
警備員は心臓マッサージを続けます。
やることなくね…。
母は心臓マッサージをすることなく、
子どもたちの元へ戻りました。
「えっ?いいの?いいの?」と友人。
圧!!
「人足りてるし…、看護師さんいたし…」
横では子どもたちが、心臓マッサージの様子を瞬きせずに見ていました。
周りを見ると、ギャラリーも増えています。
わたしにできること…
ちょうどピクニック帰りで大きなレジャーシートを持っていたので、
それで目隠しを作りに行きました。
手持無沙汰にしていたおばさまナースと、
両端を持って広げ、人の目に触れないように…。
子どもたちは、目隠し係の母も、
キラリとした目で見守ってくれました。
そうこうしているうちに救急車が到着し、
目隠し係の任務完了。
『感謝カード』のようなものをいただきました。
勇気ある行動に感謝します…
うん…確かに勇気必要だったかも…
でも、このカードをいただくようなことはしていない…
恐縮です…
力不足を感じつつ、現場を後にしました。
心臓マッサージ経験は、結局1回のままです。
するようなことがないことが一番ですけど。
子どもに聞かれました。
「お母さん、心臓マッサージしたことあるの?」
「う…うん。(1回だけね)」
救命救急センター時代の先輩にこの話をすると、
「わたしだったら絶対行かないー。」だって。



