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「会って話がしたい。」
ある日、実家のポストに一通の手紙が投函されていた。
真っ白な封筒に真っ白な便箋。
消印等がない事から、直接このポストに投函されたのだろう。
一行のメッセージと、日にちと、時間、そして場所。
そして、最後に「辻 規之」と、名前が書かれていた。
その手紙を、手の中で強く握り締める。
音を立てて、手紙は潰れた。
今の私の心の中みたい。
「―――ふざけんな。」
ため息のような、呟きのような。
吐き出すように呟いた。
一人、静かな自分の部屋で。
―――そう、これは、私の恋の物語。
私、瀬尾 京子の物語。
「はぁ!?手紙が来たって?きもー!」
グラスにいっぱいの氷と炭酸飲料をストローでかき混ぜながら言い放った。
すらっとした165cmは越える身長で茶髪のセミロング。左手には彼氏から貰ったであろう指輪とピンキーリング。
高校時代からの友人、田村 舞。地元で一番の相談相手だ。
時間は夜10時を回る頃。
手紙を読んでから、悩んだ末に田村に電話。
そして、田村の家に近い某有名ファミレスに原付で集合したのだった。
「携帯かえてから、全部きってたし・・まぁ、連絡手段、これしかないよね・・。」
あー!どうしよう。
そう、私は頭を抱えるのだった。
「で?瀬尾はどうすんの?」
「どうするって・・」
田村は、少し前に運ばれてきたサラダにフォークを立てながら言った。
私は、アイスティーをストローでかき混ぜた。
答えはもう、決まっている。
「・・・会えない。会って、何もはなす事ないし。
多分、絶対いいことなんていわれないよ。」
「うん。会わないほうが絶対いい。」
うじうじと話し出す私に、田村は断言した。
田村はいつも、私にきっぱり断言する。
情に流されやすい私に、いつも厳しい事いうけれど、最後まで見方でいてくれる。
そんな、心強い友人だ。
田村は、私の言う言葉を、迷いをちゃんと聞いてくれる。
「でも電話とかメールだったら、あわないとか返事できるけど・・手紙だよ・・
タウン公園に10時に待ってるって。一方的すぎる・・。」
「そんなの無視しちゃいなよー。」
炭酸飲料を飲み干した田村が、少し笑っていった。
でも・・と、呟く私を横目にドリンクを取りに行く。
この、手紙の主である辻 規之は去年別れた元恋人である。
私は、正直迷っていた。
「だって・・待ってるって」
戻って来た田村に食い下がった。
「あってどうすんの?また、繰り返す?」
「それは、絶対無い!」
「じゃあ、無視決定!」
うん。と、力なく頷く私に、今度の女子会について田村は話し始めた。
――絶対に、会わないほうが瀬尾のためだよ。
そう、田村は真面目な顔して言った。