5男児ごみ箱で一酸化中毒死
こんな表題の事件が中国で起きた。
以下、各紙を要約してみると、
11月16日、中国の貴州卒節市の環東路の「ごみ箱」で5人の浮浪児が死亡しているのが、発見された。
全員男子で、5人はおよそ7歳から、13歳。おりからの寒さをしのぐために、ごみ箱に入って暖を取ろうとして火を焚いていたところ、不完全燃焼によって発生した一酸化炭素ガスによって、中毒死したものとみられている。一酸化炭素は、猛烈に酸化するため、子供たちは、酸欠死したものとみられる。
5人の死体が発見されたのは、卒節市七星のごみ箱内。調査の結果、中には、炭で暖を取っていた痕跡があったという。地元公安部によると、5人のうち、3人の身元は七星区の子供たちであることがわかったが、残る2人については、身元を調査中という。
炭で暖をとることが多い中国では、一酸化炭素中毒死は珍しくないが、小さな男児が5人も命を落としたことが哀れを呼んだ。
貴州といえば、中国でも貧しい地方だ。
取材意欲を持った中国人記者が、身元を取材したところ、どうやら、子供たちは、いなかの貧しい農村部の子たちで、みな都市に出て「物乞い生活」をしていたようだ。そして、一般市民が生前のこどもたちを写した写真も公表。
さらに、子供たちの実家は、土蔵つくりであり、土間兼寝室兼台所には、 物入れらしいものを除けば、家具らしいもののひとつもなかった。ベッドは、粗末な木製で布団はない、料理をつくるのは、床にこしらえた石の板だ。
この貧しさが、中国の大方の農村なのだ。こんな村はごろごろしている。
問題なのは、このような生活をしいられている人々の収入が、都会への出稼ぎで得る一カ月1500元(日本円で約18750円)しかない現実だ。しかも、出稼ぎといっても、街でクズ拾いをして糊塗するほかにたいした仕事はない。
もうすでに21世紀になって、12年。この国の首都ではオリンピックをやり、宇宙開発の名で有人衛星まで飛ばす羽振りの良さにもかかわらず、農民の生活はこの程度のままで放置されているのが、現状だ。
日本は、この国に毎年、巨額の援助をおこなっているが、それだけの援助がまったく庶民に渡っていない。中国への円借款が終了した2008年以降は、かえって「対中資金援助」が増額している。2008年から2011年までの間に5000億円もアジア開発銀行経由で対中資金援助がされていた。
日本政府が中国援助で掲げている問題の中心課題のひとつに「貧困の克服」があるが、中国は、援助を引き出すために「貧困」を残しているのではないかとすら思いたくなる。
「貧困の克服」など、眼中にない状況なのが今の中国である。
今度の総選挙で、日本は、中国にたいして、どのように対応するのか、これだけ日常的に「反日」を掲げる国に経済「援助」を今後も続けるのか?鋭く問われなければなるまい。