『覚醒』
凍えた金属の響きは
時を忘れた
あなたの鍵の音
多分貴方は知らない
眠れないベッドに
目蓋を結んで黙る私を
そこにあるとただ信じていた
疑う事をなぜか忘れてた
誰が悪いわけじゃない
当たり前の距離に
誰かの心が目覚めただけ
行き過ぎてゆく雲
青い背中信じて
忍び抜けたの
星さえ見えない夜も
遠く明けゆく空
取り残されゆく闇
行方もないまま
足音に息を潜めて
季節の舞い散る小さな道に
遠い春の夢が埋もれてく
多くは望んでいない
つい追いかける指
躓く私はあの日と同じ
言葉には収まりきれない
冷えた背中が 擦れ違ってく
あなたは隣にいる
あなたはそこにいない
聞こえる寝息も時が違う
熟れて落ちゆく夜
花崩れゆく朝も
時の行方と
思いに刻んだはずの
積み重ねゆく日々
登る先を信じて
もう見えてたの
開けたそこには
ただひとりで
ただこぼれ落ち行く
意味を持たない誓い
忘れ去られる
その日の
落書きみたいに
使い捨てられてく
今日も まだ見ぬ明日も
削られてゆく命に
私は目覚めて行くの




