
東京は曇りです。 また,先週に続いて雪が降るそうです。雪国の人が見ると大騒ぎするなと言うでしょうね。
さて,昨日は卒論発表会でした。カメさんチーム(4年生)もラストスパートが効いて,個性豊かなプレゼンができました。M2も同じ日に修論をどうにか提出できました。あとは修論発表会です。頑張ってください。
大学はこれから前期個別入試,後期個別入試,卒業式と大きなイベントが控えています。その間を縫ってあちこち調査に行く予定です。きょうは先月末に現地調査した地域通貨についてお話しをしましょう。
地域通貨とは地域限定または会員限定の通貨です。日本には200から300の地域通貨があると言われています。私は5年前からM大のHさんや農村工学研究所のKさん達と地域通貨を利用した農産物流通方式について細々と研究を続けています。興味がある人はAmazon.comで「地域通貨」を検索してください。関連する書籍が出てきます。
日本における地域通貨の契機は,NHK衛星放送で1999年5月に放映された「エンデの遺言-根源からお金を問う-」だというのが通説です。この番組は,ミハエル・エンデが日本人への遺言として残した一本のビデオテープ(1994年撮影)を元にして制作されました。
その内容は,資本主義体制下の金融システムを痛烈に批判し,日常使用している国家貨幣の問題を問い直すこと。そして,そのオルタナティブな通貨として世界で実践されている地域通貨を紹介するとともにお金の未来を展望をするというものです。
この番組を見て地域通貨を始めたという組織や団体が多いことは,これまでの聞き取り調査や地域通貨の開始年を検証すれば判明します。しかし,問題は地域通貨がなかなか広がらないことです。
マスコミに取り上げられた有名な地域通貨が,現在は活動を停止したという情報をあちこちで聞きます。どうして広がらないのでしょう。国家(国民)貨幣のように自由に流通しないことが地域通貨のメリットなのですが,それが流通の障害になっていることも事実です。
1月末に調査した奈良県明日香村の「飛鳥」にしても,滋賀県大津市の「仰木(おうぎ)」にしても,野菜との引換券でしかありませんでした。つまり,発行者に直ちに地域通貨が戻って,地域内で循環することはないのです。
世界規模で発生する貨幣の暴力や投機などから暮らしを守るために生み出された地域通貨が広がるためにはどんな仕組みが必要なのか,今後も考えていきたいと思います。
これから推薦入学Ⅱの合格者選考の教授会が行われます。気温もだいぶ下がってきました。