8日朝のシカゴは,まだ冷たい雨が降っていました。

ホテルを出た後,シカゴ商品取引所(CBOT)を訪問しました。全農が取引するP社のブロカーの人に案内されて,立会場を見学しました。残念ながら写真撮影は禁止されているのでここにアップできません。

CBOTは1848年に設立された農産物取引所ですが,いまや3600社以上のCBOT会員が米国債からトウモロコシや大豆油など50以上の先物やオプション取引を行っています。すごく活気がありました。また,2006年9月から電子商取引が開始され,いまや商品によっては7~9割が電子商取引で取引されているそうです。

それを聞いて私は,なぜ場立ちによる取引を続けているのか聞くと,コンピューターは故障するのでバックアップのため人間による場立ちを続けているとのことでした。納得したような,ちょっと違和感が残る回答でした。

その後,バスはシカゴを出て進路を南西にとり約90マイル離れたプリンストンに向かいました。イリノイ州はアメリカの "heart land"といわれているぐらい映画の場面でよく出るところです。プリンストンに向かう車窓にはトウモロコシ畑が延々と続いていました。

最初にヘネピンにあるCGB社のリバーエレベーターを見学しました。CGB社はJA全農と伊藤忠が半々で出資する穀物の集荷・販売を行う会社で,独立系の穀物業者です。ちょうどトウモロコシの収穫時期と言うこともあり,トウモロコシを満載した大型トラックがひっきりなしに出荷に来ていました。

その後,ヘネピンの西方35マイルに位置する今年8月に稼働したバイオエタノール工場を見学しました。工場が広いこともあり,バスの車窓からの見学でしたが,その巨大さは圧巻でした。年間エタノールの生産量は1億ガロン(約3.78億リットル)で,年間のトウモロコシの使用量は91万トンにものぼります。ここでは,トウモロコシ粕(DDGS)の有効性について強調するとともに,日本への輸出にも力を入れたいとのことでした。

本日のメインイベントは,トウモロコシ農家の調査でした。名前はJIMさん,60歳です。経営耕地面積は2000エーカーで,自作地は700エーカーです。土地利用は90%をトウモロコシ,残りを大豆を作付けしています。トウモロコシの8割をGM(遺伝子組み換え)で2割がnon-GMです。non-GMコーンは1ブッシェル当たり40-50セントのプレミアムが付くそうですが,単収がエーカー当たり40~50ブッシェル低いため粗収益は低いそうです。でも,すべてをGMコーンに転換することはUSDAから規制されているため?non-GMコーンを栽培するそうです。

労働者は経営者のJIMさんと息子2名,季節労働者を2~4名雇用しているそうです。ただ,肥料や燃料代が急上昇したため,トウモロコシ価格が1ブッシェル当たり4ドル以上でないと赤字になるそうです。トウモロコシ農家も結構厳しい感じです。

JIMさんはとても気さくな人で,スタディツアーの代表を大型ハーベスターに乗せてくれたり,私たちに何度でも来て良いと言われました。でも,たぶんまた会うこは無いと思います。

住宅バブルがはじけた後,バイオエタノール・バブルがはじけ,アメリカの良心を守っているいる人達が苦労しないかとても心配です。

明日は,セントルイスまで500km以上,バスで南下します。大丈夫かな?