そうして、夫からの電話を受けた姑は、その日のうちに大急ぎで我が家に上がり込んできたので、私はすぐさま台所に行き、お茶やお茶菓子などの準備を始めた。その間親子は居間で声を沈めながら何やらひそひそ話し込んで、その後、私が近づいてくる気配を感じ取ると二人して急に黙り込んだ。

 「お茶お持ちしましたよ。」私は姑に向かって笑いかけた。すると姑。

 「ありがとう。それより、早速なんだけど○○さん(私の名前)・・・すぐにでも働いてくれる?」

 結婚を機に、夫の実家付近に引っ越すために仕事を辞めたのに、ババア(姑)は、私にもう働け、などとぬかす。そればかりか更に「これなんてどうかしら?」と、一枚の求人広告の切り抜きを私に押し付けるように渡してきたので、私は困惑せざるを得なかった。

 は?これは、なんだ?私は嫁に来たのではなく、出稼ぎにでも来たのか?

 そう思ったらじわじわと怒りが込み上げてきた。ーババア舐めやがってー

 ・・・だが、落ち着け。ひょっとしたら息子の借金を肩代わりしてくれるかもしれない、我慢我慢。

 

 しかし、現実はそう甘くはない。ウリのつるにナスはならないように、親子には同じ遺伝子が流れている。

 「お母さん達ね、お金ないから!○○さん(私の名前)!あなたが頑張って稼いで、○○(夫)の借金返してね。」

 は?・・・・は?・・・・?いや、ていうか、ババア、てめー自分の息子がしでかしたことなんだから、親が責任持って返すのが普通だろーが。それを私が頑張って返す???は???え?私関係ないんだけど?はぁ?????

 

続く