妄信
Sが参政党に興味を持ってから。特に2022年の参議院選挙が終わった頃から世の中のメジャーな動向や良識的な見解に対し一層強い嫌悪感を現すようになり「逆張り」的な主張をするようになりました。(「逆張り」発言をすると人より賢いフリができます)*1例えば、気候変動であれば「気候変動は存在しない」。私たちだけが、マスコミが報じない真実を知っていて一般人より賢い。これは当時、参政党の重要なサポーターであった武田邦彦氏の意見(ちなみに研究ではありません)を真に受けて言っていただけで、自分では気候変動がなぜ存在しないと思うようになったのかを順序立てて説明できません。一度だけこんなことを言ったことがあります。「これまでだって気候は寒くなったり暖かくなったりしているじゃないですか」私が「ぼくだったら武田邦彦さんよりは、眞鍋淑郎 *2を選ぶね」と話したことがありますが、帰ってきた答えは「え?誰それ?」でした。後にコロナがひと段落すると、今度はLGBT法がでれば得意げに批判し、コオロギ食が話題になればPASCOをあしざまに罵り、ロシアのウクライナ侵攻が始まればロシアを擁護したりしていましたが、もともと意見を持っていたのではなく、その度に、参政党やそれに類するネット民を煽るための逆張り系主張を鵜呑みにして吹聴しているだけでした。例えば、Sは、インボイス制度についても、こんな口調で反対していました。「だって、あの。ほらあれだってひどい話だよ。あれ」「インボイス制度のことかな?」「あれだってひどいよ」少し意地悪な気分になったので「どうひどいの?詳しく教えて?」と尋ねたところ説明できませんでした。私は、喫茶店の紙ナプキンの上に、支払いの際の仕組みを書いてなぜ個人事業主たちが困惑しているのかを説明しましたが、果たして理解できたのか疑問です。偉そうに書いた私自身も経済の仕組みに関しては何にもわかっていませんし、個人的(ミクロ)な視点では、仕事がシンプルでインボイス制度などない方が楽だなという気持ちもあります。そんな私なのにSの態度の何がイヤかというと彼が陥った「妄信」です。排外主義的な発言も気にかかりました。唐突に「北海道の土地が中国人によって買い占められている」と憤っているのです。「こんなことが起きているのにテレビではまったく扱われていない」ともいいます。この話題がさんざんテレビでも取り上げられていることは知らないのか無視しているのだなと思いました。意図的にせよ単なる拡散者であれ陰謀論を広める人々は、「テレビ(メディア)では取り上げられない」という口上でアクセス数を稼いでいます。Sは、こうした数々の問題(?)の背景には政府や大企業による隠された意図や操作があるのだと主張します。私が疑問をぶつけると、前にも書きましたように普通の雑談のレベルの返し方ではなくムキになり断定的な口調で攻撃的な発言をするようになりました。メディア報道も間違うこともあるし、ニュースバリューがなければ報道しないという現実を受け入れる理解力も心の幅もなくなったのです。実は、Sは当時、マスメディアに関わる仕事をしていまして、内実を知っていれば作っている人間たちが闇の組織に支配されるような活動が(一枚岩の組織になっていないから)「したくてもできない」ことや「経営陣に大層な企みができるような能のある人間なんて一人もいない」ことを知っているにも関わらずです。私も上記のような個別のテーマに対する見方や論点が様々で人それぞれということはわかっているのですが、その内容や考え方というより反対意見に対する感情的な反応や急な「かぶれっぷり」をこっ恥ずかしく、気味悪く感じたものです。*1: この時期になると、ことワクチンの話になるとより感情的で攻撃的な反応を示すようになり、私に打たないように強く説得しようとするようになりました。私はこの時点で3回接種を済ませていましたが、Sの説得とは無関係に一回「打ち止め」にしようかなと思っていました。単に、「休肝日」風に、あまり打ち過ぎは良くないかもな程度の素人判断です。あまりにもSがやめろと言うので、冗談半分に、そこまで停めるならジャンジャン打ってしまおうかなと言ったら顔色が変わったので恐ろしくなったことがあります。心配してくれるのはありがたいことですが。その後、数回目の機会に、また打ちたくなってきた(笑)ので申し込んだのですが混みあい過ぎていて諦めています。インフル系の病気が苦手ですし、インフルエンザワクチンは継続していますので、コロナワクチンも年一度になったら定期接種するつもりです。(その後、2024年秋に始まった定期接種で”再開”しました)*2: 眞鍋淑郞。日系アメリカ人一世の地球科学者。プリンストン大学上席研究員。国立研究開発法人海洋研究開発機構フェロー。米国科学アカデミー会員。2021年ノーベル物理学賞受賞。 理学博士。