↑前回の続きでございます。まだ読んでいない方は是非。✌︎('ω')✌︎
あの夏の日に僕は宝石を見つけた 2.
リサとコニで知り合ってから一カ月が経った。
一日十分程度しかメッセージのやりとりはできないが,リサと話しているときは嫌な事全てを忘れらる程楽しく,今までにない充実感を得ることができた。
同い年ということもあり,勉強を教えあったりした。リサはよく言う、
『こんな勉強私の役にたたないと思います』
と。
『知っておいて損はないですよ』
苦笑しながらメッセージを送る。
僕はリサに少しずつ心を開いていった。一度だけ
『両親は僕のこと愛してないんだよね、、、』
と言った事があった。
『それは辛いね。でもカイはきっと心のどこかで愛されたいって思ってるんだね』
リサの言葉にはっとさせられた。
両親なんて俺のこと何にも知らず,理想ばっか押し付けてくるクソみたいな奴らだと思っていた。
しかしリサは
愛されたい。認められたい。褒めて欲しい。
僕の全部わかって欲しい。
そんな気持ちに気付かせてくれた。
『リサありがとう,これからもっともっとお互いを知ろうね』
『勿論。じゃあ一つ質問していい?カイは人生最後になにが見たい?』
『人生最後ってまだまだ先の話だね。僕は星空が見たいな。リサは?』
『私?秘密。』
『えー,知りたい!』
『人生最後に言うね』
『今言ってよー』
こんな何気ない会話が崩れた僕を組み立ててゆく。それに比例し僕はリサのことをもっと知りたいと思った。いつか会いたいと思った。
夏休みのスタートラインをもうすぐ駆け抜ける。今日は終業式のため学校に来ていた。
二年の夏休みは受験に向けて重要な時期です。
先生が言うと、いつも僕をからかってくる男子が不敵な笑みを浮かべ僕の方を見た。
海斗ー!お前陰キャ優等生だもんなw
受験なんて余裕だろ?まだ一年先の話だけどな
、、、、、、。
いいんだ。あいつらはわかってくれなくたってリサは分かってくれる。
早歩きで正門を通り帰路につく。
リサとなにを話そうかという胸の高鳴りと受験に向けた両親の圧を抱えたまま家に着く。
パソコンのある机に向かうと自然に口角が上がった。
『リサ,僕のところでは今日から夏休みだよ!』
高鳴る気持ちを抑えつつメッセージを送る。
メッセージが届く間,勉強をしたり本を読んだりしていたがつま先からてっぺんまでソワソワして内容が入ってこない。
それから二時間,三時間経っても返信はなく,その日はメッセージが届かなかった。
次の日,その次の日、、、待っても待ってもリサからの返信はない。
こんなに返信が遅いのは初めてだ。
色々な予感に僕の心はぐらぐらと揺れた。
続く。
次回・どーしよー、、、決まってない、、、