夫はもともとのんびり屋で、私も細かいことは気にしない性格でした。

今思うととても馬鹿だと思いますが「うっかり給料下ろすの忘れちゃうんだよね」の言葉を信じていました。

また、日々の家計は私の収入だけでまかなえていたこともあり、危機感はあまりなかったのです。


夫は2020年の年明けからはきちんと家にお金を入れるようになっていました。それは借金や、子どもの学資を勝手におろしたお金だったのですが私は何も知りませんでした。

毎月「今月もお疲れ様、家族のためにありがとう」と恭しくお金を受け取っていたのが惨めです。


長男の貯金をおろしていたのは、通帳を見ると2020年の夏でした。この頃は本当に首が回らなくなっていたのでしょう。

毎日いいお父さんの顔をして家族に優しくしていたのが怖いです。


その頃からいよいよおかしかったのです。

30万円と書かれた封筒を夫から受け取っても、中に10万円しか入っていないことがありました。私がそれを指摘すると「あれ、間違えた」と。

間違えるはずのない高額だと思います。でも、夫はうっかりする人で、悪い人ではないと信頼しきっていた私はその言葉を信じてしまいました。


そして2021年12月。賞与の時期を過ぎても夫は私に一円のお金も渡してはくれませんでした。

また忘れているなと思った私は、年末は忙しいだろうということも考慮して、年明けの10日頃までに渡してほしいとお願いしました。

10日になっても私の手に賞与は渡されませんでした。

でも、ちょうどその頃夫の仕事が忙しそうだったので、私はもう少し待つと伝えました。

本当になんの疑問もなく「忙しくてうっかりものの夫」を信じていた馬鹿な嫁です。

そして20日、約100万円が私の手元にきました。

「これで、学資の口座に300万円貯まるね。安心だね」と言った私を夫はどんな気持ちで見ていたのでしょうか。その頃もう、200万円あった口座の残高はゼロだったのに。


そしてとうとう、2022年1月28日を迎えます。