こんな人は転倒しやすい!?理学療法士が見る『歩き方のクセ』
「最近、つまずきやすくなった気がする……」 「なんでもないところでふらつくことが増えた」 「坂道や段差のある道を歩くのが怖くなってきた」
こんな経験はありませんか?
もしかすると、それは『歩き方のクセ』が原因かもしれません。年齢とともに筋力が低下し、姿勢が変化すると、無意識のうちにバランスを取ろうとして歩き方に影響が出ます。今回は、転倒しやすい歩き方の特徴と、今日からできる転倒予防のポイントをご紹介します。
転倒しやすい歩き方のチェックリスト
まずは、ご自身の歩き方をチェックしてみましょう。
✅ 足を引きずるように歩いている ✅ 歩幅が狭くなったと感じる ✅ つま先が上がりにくく、すぐにすり足になる ✅ まっすぐ歩くのが難しく、ふらつくことがある ✅ 信号が青の間に横断歩道を渡りきれない
いかがでしたか?
チェックが多いほど、転倒リスクが高い可能性があります。しかし、安心してください。歩き方のクセを知ることで、改善することができます。
なぜ歩き方が変わるのか?
高齢になると、次のような理由で歩き方が変化します。
🔸 筋力の低下
特に太ももやお尻の筋肉(大腿四頭筋・殿筋)が弱くなると、歩幅が小さくなり、足が上がりにくくなります。
🔸 バランス機能の低下
加齢に伴い、体のバランスを取る機能が低下します。そのため、ちょっとした段差や坂道でもふらつきやすくなります。
🔸 関節の可動域の減少
股関節や膝関節の動きが硬くなると、スムーズに足を前に出せなくなります。これが、すり足や歩幅の減少につながります。
🔸 視力や感覚の変化
視力の低下や、足の裏の感覚が鈍くなることで、地面の状況を把握しづらくなります。
しかし、これらは日常生活の中で改善することが可能です!
転倒しにくい歩き方の3つのポイント
では、どうすれば転倒しにくい歩き方ができるのでしょうか?
① 歩幅を意識する
歩幅が狭くなると、足がつまずきやすくなります。まずは「大股で歩く」ことを意識してみましょう。
🚶♂️ ポイント
・「もう少しだけ大きく一歩踏み出す」意識を持つ
・腕をしっかり振ることで自然に歩幅が広がる
・鏡やガラスに映る自分の歩き方をチェックしてみる
② つま先を上げる
すり足になっていると、ちょっとした段差でつまずきやすくなります。つま先をしっかり上げる意識を持ちましょう。
👣 簡単エクササイズ
・椅子に座った状態で、足首を上下に動かす(10回)
・かかとをつけたまま、つま先を上げる練習をする
③ リズムよく歩く
歩くときに「1、2、1、2」とリズムを意識すると、体のバランスが整いやすくなります。
🎵 リズムウォークのコツ
・音楽を聴きながら歩く(テンポの良い曲がおすすめ)
・「右・左・右・左」と声に出して歩く
・一定のリズムで足を運ぶ練習をする
家の中でもできる!転倒予防の工夫
転倒の多くは家の中で起こります。以下のような対策をすることで、安全に過ごすことができます。
🏡 家の中の転倒対策
✅ カーペットの端がめくれていないか確認する
✅ スリッパではなく、かかとのある靴を履く
✅ こまめに整理整頓し、床に物を置かない
✅ 夜間にトイレに行くときは、小さなライトをつける
特にスリッパは滑りやすく、転倒の原因になりやすいので注意が必要です。
まとめ
転倒を防ぐためには、まず「歩き方のクセ」に気づくことが大切です。
✅ 歩幅を意識して大きめに
✅ つま先を上げて歩く
✅ リズムよく、テンポを意識して歩く
まずは今日、歩きながら「私は今、どういう歩き方をしているかな?」と意識してみましょう。 たったこれだけでも、転倒予防の第一歩になります。
次回は、「高齢者でもできる簡単なバランストレーニング」についてご紹介します。ぜひお楽しみに!