風祭はなんと、ロボット。
対人攻撃型人体ロボットであった。
しかもあろうことか、その設計者は本郷博士。ケンの父親であった。
ケンがK9を完成させたことを知った博士。
その能力の限界を量るため、自ら攻撃型ロボットを開発。
K9のガード対象者ミライを攻撃させた。
さらに、K9が4原則を破る行動を取った場合、
K9ともども自爆するように設定していたのである。
風祭はなんと、ロボット。
対人攻撃型人体ロボットであった。
しかもあろうことか、その設計者は本郷博士。ケンの父親であった。
ケンがK9を完成させたことを知った博士。
その能力の限界を量るため、自ら攻撃型ロボットを開発。
K9のガード対象者ミライを攻撃させた。
さらに、K9が4原則を破る行動を取った場合、
K9ともども自爆するように設定していたのである。
ケンはK6との苦い思い出から、K9に次の4原則を初期プログラミングしていた。
1「設定されたガード対象者をすべての危機から守らねばならない」
2「ガード対象者を守る限りにおいて、その命令に従わなくてもよい」
3「ただし、誰であっても、けっして人を傷つけてはいけない」
4「4原則は、他のすべてに対して最優先して守らねばならない」
だが,
人格を持ってしまったK9であった・・・
彼は、というか彼女なのか、性別の判別はつけがたく、その瞳に魅入られた者は言いなりになってしまった。
学園はまるで風祭に操られているかのごとく、陰湿な出来事が増えていった。
それでもミライが屈することはなかった。
が、このごろでは悪事がエスカレートし、グランドに落とし穴、屋上からバーベルが落下、教室のイスは座ったとたんに折れるといった具合で、そのたびにK9がミライの身を守るのであった・・・。
かつてK6であればガード対象者を守ることはしても、その先の行動はありえない。
しかし、K9は自ら思考し,行動するロボットである。
K9は、ミライに危害を加える首謀者風祭との決闘を決断した。
だが、ミライがそれを許さなかった。
「私が狙われるのは、リタを守るため。私への攻撃が阻まれれば、またリタが狙われるわ。」
そう、3ヶ月前に始まったリタへのからみに、ミライは
「狙うなら私を狙いなさい」
と風祭に言い切ったのであった。
「私ひとりにすべてが集中することで、みんなが救われればいいの。」
K9は大きく深呼吸した後、ひと言つぶやき、ミライと寄り添ってから初めて彼女から離れていった。
「CAUSE I AM ME.私は私だから・・・」
さらに時を経て、ミライは14歳の少女に成長した。
そのうしろには常にK9がひかえ、彼女を数々の危機から守ってきた。
ミライはK9のことを
「K9なんて、まるでロボットみたい。あなたには、ふさわしい名前があるはずよ」
と言ったので、
K9はひと呼吸をした後(実際には呼吸していないのだがK9が思考する時は呼吸しているかの動きをする)、
「私の名前は『しもべえ』といいます」
と答えた。
実は、ケンはK9がガード型人体ロボットであることをミライに隠していたのであった。
ケンは、いまだ17歳の苦しい記憶に悩んでおり、過去の事実をもミライに伝えかねていた。
ミライの学園生活は順風満帆で、仲良しの『リタ』と空手道場、そしてもちもちオムライスさえあれば、「LIKE!」といつもご機嫌であった。
ところが、3ヶ月前になぞの転校生『風祭』が現れてからはその生活に陰りが・・・。
そこからK6がとった行動と実績は、博士がK6に設計した通りの十分なものであった。
が、同時に博士を失意のどん底におとしいれたものでもあった。
瞬時に爆発したリビングで、K6はケンを救出して命を助けたが、志穂は亡くなってしまった。
爆発の瞬間、はたしてK6がケンと志穂の二人を同時に救出できたのかどうかは、設計者の博士でも予測しかねた。
ただ、K6にはケンをガード対象者としてインプットしていたのみであったのだ。
博士は、志穂の死と彼女を救えなかったロボット研究者としての限界から立ち直れず、ケンの反対を押し切ってK6を解体し、彼の前から去っていった。
一人きりになったケンは、以前にも増してロボット研究に没頭していた。
試作に試作を重ね、時を経てついに『K9』を完成させた。
K9は自己判断機能を備え、命令に従いつつも、自ら思考し行動できるようにプログラムされていた。
そして、ケンもまた父と同じように、このガード型人体ロボットを生まれたばかりの娘『ミライ』にあたえ、その性能を実証しようとしたのであった・・・。