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朝さわやかに目覚め家事を済まし、化粧を済ませカバンを持った私は学校に行きたくないことこの上なかった。
レディー・ガガみたいな真っ赤な口紅欲しい!と思いHPでMACの口紅の色を見ると
なんとビバグラムガガは可愛らしい白っぽいピンクだ。
じゃあPVで着けてた色だろうかと思いPoker Faceを確認したら、肌色に完璧に合わせたヌーディーベージュであった。
これはこれでいいなあ、どうやってつくってんのかなと思考が脱線し
レディーガガは赤!っていう発想の出処が分からなくなった。
私はもやもやしたまま学校に行き授業にだらだら出てGATTやらWTOやらにまみれた頭で
こんなことを考えた。
最近雑誌やなんかでは赤リップ推奨してるけど絶対流行らない。
オーブクチュールのデザイニングプレミアムルージュが流行ったこと自体濃い色味下火の証拠だと言うのに。
若者の口紅離れ。
グラビアやビューティモデルなんかだと厚い唇はなんとなく優遇されているように思えるし
ふっくらさせるグロスは市民権を得ている。
が、ふっくらさせるだけさせて色は付けないというのは、なぜなのか。
不景気だから情が篤そうなふっくらは喜ばれるけど、我が強そうなレッドは避けられるのだろうか。
最近のトレンドはピンクとベージュである
オレンジは似合えばかわいいがDS(ドラッグストア)コスメには色がそろっていない
ブランドによってはオレンジという分類はないくらいだ
(もっとも色系統の分類なんてどこもかなり曖昧だ)
個人的にヌーディーベージュは他人受けを気にした色だと思う。
ばっちり決まっても華やかさはないし、個性もなく画一的だ。
もちろん、このような色が流行るのはアイメイクブームによるところも大きいだろう
基本的に化粧というのは目か唇どちらかを強調して作るものだが、アイプチをした上につけまつげをして
赤い唇にしたら「やりすぎ」な感じになってしまうからだ。
ということはつまりアイメイクの衰退無しにリップメイクの復権は無いわけだが
これはつまるところ真の意味での「個性重視」に社会が方向転換することと同義と言える。
(真の意味でのというのはゆとり教育で個性を伸ばそうとして、没個性に生きようとする若者を生み出したことと
対比する)
なぜならアイメイクよりリップメイクの方がごまかしが効かないからだ
唇の色を薄くしたりする技術はないし(リップコンシーラーはまだまだ不便だ)
形を変えるとしたら整形しかない。
アイメイクはアイプチの登場によってとても無個性なものになってしまった。
世の女性がみんながみんなぱっちりした猫のような二重になってしまったら、あまり濃いシャドウを入れる意味はない。素美人っぽく偽装できればそれ以上する必要がないからだ。
伝統的アイメイクと言えるアイシャドウは個性を重視するのものであった。
目を大きく見せたり、パーソナルカラーに合う色を選んだり、お遊びの要素がある。
新旧アイメイクは共に流行しているように見えるが、同時に敵対する存在なのである。
こういうわけでアイプチが廃れるか、景気が回復するかして人々に余裕が出るかしないと
濃い色の口紅は流行らないであろう
もちろん流行ってくれなくて問題ない
私がつけていった時に目立たないと困るから