発毛薬 デュタステリド
グラクソ・スミスクライン社は、アザステロイドであるデュタステリド(dutasteride)を発表した。デュタステリドは「アヴォダート avodart」として販売されている。フィナステリドと同様に、デュタステリドは元々良性前立腺肥大(BPH)の治療薬として開発された。毛髪の数を測定した研究では、2.5mgのデュタステリドはフィナステリドの1.5倍の効果が認められた。
直径1インチの範囲でデュタステリドは108本の毛髪再成長が見られたのに対し、フィナステリドは72本、グラクソ・スミスクライン社はFDAの脱毛症研究をフェーズIIで中止した。中止の理由は明らかにされていないが、デュタステリドがフィナステリドによく似ているために商業的な成功が期待できなかったからではないかと推測されている。このため用量2.5mgのアヴォダートは発売されなかった。
BPHについてのFDAの臨床研究の結果、アヴォダートが第一選択薬となった。5mgのアヴォダート(上記の研究では1インチあたり92本の毛髪再成長)は脱毛症の治療薬としてネット上の「グレー・マーケット」に出回り、医師も「ラベルなし」の処方薬として出すことが多くなっている。グラクソ・スミスクライン社は新たにフェーズIIIの研究に乗り出した。
韓国での6か月間の研究で、頭頂部の男性型脱毛症(Hamilton-Norwoodスケールでtype IIIv, IV, V)に対して1日1回0.5mgの内服での安全性、耐用度、効果を調査するものである。 [5]FDAがアヴォダートに男性型脱毛症の治療薬としての認可を与えるか否かは未定である。
育毛の方法
休眠状態になっている毛包から再び毛髪を成長させることよりも、健康な毛髪の脱毛を防ぐことの方が容易である。毛髪の再成長について医学的に効果が証明されている。ランダム化二重盲験法を用いた3つの研究では、治療を行なわなかった男性グループでは2年間で72%に生え際の後退が見られたのに対し、プロペシアを用いたグループは17%だった。将来の治療として「毛髪の培養(hair multiplication)」や「毛髪クローン」といわれるものがある。
毛包幹細胞を実験室で増殖させ、頭皮に注入するという方法で、すでに実験では成功している。まだ実験段階ではあるが、2009年から2015年には実用化されるのでは、とも言われている。更なるステップとして、毛包の細胞に信号を送って若返らせる、という研究も構想されている。
同じ化学組成や有効成分を含む安価な医薬品にも同様な効果があると思われる。興味深いことに、しばしば偽薬でそれなりの効果が現れる。この場合、効果そのものは薬剤を使ったほどにはならないが、は薬剤を使った場合と同様に出現する。たとえばフィナステリドでは「薬剤が原因で何らかの支障を来たした」割合は3.8%だが、プラセボ群でも2.0%に同様の「副作用」があった。
