菜の花に代表される花弁が4枚の十字花野菜といわれる小松菜、チンゲン菜、水菜などのアブラナ科の野菜達は、春先に黄色い花を畑一面に咲かせます。
十字花野菜は交雑が激しく、小松菜の種から同じ小松菜が育つ事はほとんどありません。

ところが、菜花を食べる関東の地場野菜“のらぼう菜”は、自家受精し他の野菜と交雑しないため、唯一種が採れる油菜科の葉物野菜です。

畑の一角で人の手を借りず、こぼれ種から育ったのらぼう菜の種を毎年採種し、翌年の種として利用しています。

種が出来ると、尾羽が黄色い雀程の大きさの“カワラヒワ”が大挙して押しかけ、小さな種をついばんでいきます。
警戒心が強く、人が近づくと一斉に飛びたち、上空を一周し、人がいない事を確認して戻ってきます。

今年も、梅雨入り前の晴天時にカワラヒワの食べ残しを採種しました。

のらぼう菜の他には苦瓜、八丈オクラを自家採種し、里芋、ニンニク、アサツキ、茹で落花生などを翌年の種として利用しています。

昨年植え付けたパクチーのこぼれ種が、可憐な花を咲かせています。

アッと云う間に種を付ける雑草のこぼれ種に、老農夫は悪戦苦闘の毎日です。