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Art and The City

アートホリック(中毒)なcatnoelのつれづれ日記

K-BALLET COMPANY「シンデレラ」イベント


3月6日~10日、Bunkamuraオーチャード・ホールにて熊川哲也演出:振付の「シンデレラ」が上演されますが、それに関するクローズドイベントに参加させて頂きました。


TBSの安東弘樹アナの司会で、まずは去年の初演時のダイジェスト映像を拝見。
Kバレエの舞台は隅々まで熊川美学が行き届き、大変ゴージャスという印象がありますが、この「シンデレラ」もまさしくそんな作品でした。ロイヤル出身らしく、美しい中にも少し毒があるというか、演劇性や諧謔性も盛り込まれていて単に表面的な美しさだけの作品ではありません。


30分ほどの映像を拝見した後は、去年の初演時でもファーストキャストを務め、今回も主演される松岡梨絵さん、宮尾俊太郎さん、衣装制作を担当された林なつ子さんを迎えてのトークへ。


身近で拝見する松岡さんと宮尾さん、本当のプリンセスとプリンスのような美しさでまさに眼福!でしたw


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王冠1それぞれの役作りについて


松岡:誰かの真似ではなくて自分のシンデレラを演じたい。芯は強いが優しくて暖かいイメージ。苛められている前半があるからこそ2幕で変身した場面が映える。去年は熊川ディレクターに変身場面が当たり前に見えると指摘され、改善しようと努力した。
宮尾:シンデレラに王子のストーリーはなく、誰が見ても理想の王子に見えなければならないのが逆に難しい。初演は反省ばかり。ドラマや映画出演はすぐに自分の映像を見てチェックできるので、自分を第三者目線で見ることができる。間の取り方などはバレエにも活かすことができる。


王冠1ここを見てほしい!というポイントなど


松岡:絵本を開くようなお伽話ワールドを楽しんでほしい。 プロコフィエフの音は複雑なので、特に演技シーンでのカウントに苦労した。
宮尾:完成された世界観なので全部見てほしい。緩急があり、いろいろな感情に満ちている。


衣装制作の林なつ子さん(工房いーち主宰)は新国立劇場の仕事もされている第一人者。衣装に関するお話はなかなか伺う機会がないので、大変興味深いものでした。
シンデレラでは約150着もの衣装を制作したそうですが、「白鳥の湖」に比べるとこれでも少ないそう。


先日、東急本店でシンデレラの衣装展が開催されていたのを見てきた記事はこちら
http://ameblo.jp/noel0901/entry-11462081006.html


衣装デザイナー、ヨランダ・ソナベンドは今までの多くの熊川プロダクションでもおなじみですが、本来は画家でそれも抽象的な画風の持ち主だそう。なかなか他にはない発想が豊富で熊川氏も大変気に入っているデザイナー。


王冠1具現化の苦労(林)

*微妙な色合いを出すために、全部手作業で生地のムラ染めから行っている。
*実際の形がどうなっているか、デザイン画から理解するのが大変。
*ダンサー一人ずつの寸法が違うので、ウエスト1センチの調整などが必要
*舞台のライティングを考えての制作をしなければならない。光を当てると全く別の色に見えたりする。


王冠1衣装はどんな存在か


松岡:役そのものにしてくれるもの。林さんの衣装は凄く綺麗に見せてくれる。
宮尾:本番前のスイッチのようなもの


熊川シンデレラでは、四季の精がろうそく、ティーカップ、とんぼ、花などに変化。シンデレラの周りにあったものたちが守護神のようにシンデレラを見守っているという趣向はとてもいいと思いました。松岡さんもとても気に入っているそう。
これがそのデザイン画。とても可愛らしいです。(衣装は東急本店での展示)


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出来立ての衣装は固いのが、リハーサルや本番での汗で柔らかくなり、それでサイズが変わったりすることがあるので微調整は常にしているそう。

日本では舞台衣装を学べる場所がなかったので、林さんは独学で学ばれたというお話にも驚きました。来日公演の際などに実際の衣装を見ることなどを積み重ねたそうです。最近はようやくそういうコースが出来たりしているが、まだまだ日本の現状は遅れているとも....


オートクチュール級の技術と手間がかけられている舞台衣装ですが、オートクチュール(というか普通のドレス)との最大の違いは、舞台衣装は遠くの客席から見て最も美しく見える必要がある、という指摘は目鱗でした。そういう観点で見たことがなかったもので..ベラスケスの画がある程度離れてみると緻密に見えるのと似ているとでもいうか。

熊川ディレクターはタイトな衣装が好みだそうですが、ダンサーのお二人はキツくない衣装が好きと断言。そりゃそうでしょうね(笑)


シンデレラと王子の衣装
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王冠1「シンデレラ」は熊川ディレクターが踊らないがファーストキャストとしてのプレッシャーはあるか?


松岡:女性なので男性ほどのプレッシャーは正直ない。初演は前例がないので大変。
宮尾:前回は5公演終わっての解放感は大きかった。今回は踊りが体に入っているのでスタートが違う。


王冠1最後に観客へのメッセージ


林:汚れた娘がシンデレラに変わるシーンは鳥肌が立つほど感動する。殺伐とした時代に、こういう作品をぜひ見てほしい。
宮尾:全てが豪華な舞台。ライブの一瞬の美しさを感じてほしい。
松岡:舞台は生が一番。ぜひ会場で見て頂きたい。


貴重なお話を沢山伺えて、大変有意義な体験をさせて頂きました。
主催者の方々にお礼を申し上げます。


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K-BALLET COMPANY「シンデレラ」公演


主催
TBS/Bunkamura
会場
Bunkamura オーチャードホール
日程
2013年3月6日(水)~3月10日(日)

問合せ先
チケットスペース
03-3234-9999
Bunkamura
03-3477-3244

[チケット取り扱い]
チケットスペース03-3234-9999(オペレーター対応)
TBSオンラインチケット
http://www.tbs.co.jp/kumakawa/

Bunkamuraチケットセンター
03-3477-9999

Bunkamuraオンラインチケット
http://www.bunkamura.co.jp/online/
※事前登録が必要 〈PC&携帯〉

チケットぴあ
0570-02-9999( 音声自動応答予約・Pコード:424-310)
http://pia.jp/t/k-ballet/ 〈PC&携帯〉

ローソンチケット
0570-084-003(音声自動予約・Lコード:39293)
0570-000-407( オペレーター対応)
http://l-tike.com/k-ballet/ 〈PC&携帯〉

イープラス
http://eplus.jp/kumakawa 〈PC&携帯〉

奇跡のクラーク・コレクション ルノワールとフランス絵画の傑作@三菱一号館美術館(~5/26)


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http://mimt.jp/clark/top.html


チラシを一目見た瞬間から楽しみにしていた展覧会。大変ラッキーなことに、青い日記帳xクラーク・コレクション展ブロガー特別内覧会に参加させて頂きました。


まずは美術館隣、新東京ビル内のMARUNOUCHI CAFE 倶楽部21号館にて、学芸員・阿佐美さんの見どころと出展作品解説トークからスタート。
ちなみにこちらの会場は通常は会員制なのでなかなか入ることができないとのこと。元金庫だったという室内は落ち着いた雰囲気で、阿佐美さんのトークもわかりやすくてもっと聞きたいと思えるものでした。


「奇跡の」というネーミングは大げさでも何でもなく、まずもってこのクラーク美術館がある場所というのがボストンから車で4時間以上かかるという人口6千人の地方都市なので、現地を訪ねる機会はそうあるものではないということ、そして大富豪(シンガーミシンの創業者一族)のクラーク夫妻の審美眼にかなった作品は文字通り「珠玉」というにふさわしく、驚くほど質の高いコレクションで知られているそうです。

夫:ロバート・スターリング・クラーク(1877-1956) 

妻:フランシーヌ・クラーク(1876-1960) 元コメディ・フランセーズの女優


夫妻が1955年にこの土地(ウィリアムタウン)に美術館を建てたのは、第三次世界大戦を危惧して、ニューヨークやボストンといった大都市から離れた土地にコレクションを保管したいと思ったからだそうです...


今回は22点のルノワールを筆頭にコロー5点、ミレー2点、モネ6点、シスレー4点など、日本初出展59作品を含む73点が来日。


トークの後は、美術館に移動して作品を拝見。夜の仲通りやブリックスクエアはライトアップされて美しいです。すぐそばで仕事中であろう元同僚たちにいくばくかの罪悪感を感じつつ美術館内へ。


今回の展示はほぼ時系列であり、19世紀フランス絵画の流れが一目でわかるようになっているとのこと。 


最初のコロー部屋で、これは「すごいクオリティ...」と思いましたが、足を進めるにつれてますますその思いは強まりました。


(会場内の撮影は特別に許可を頂いています)


モネの《エトルタの断崖》 1885  今までに見たエトルタシリーズの中でも最も美しく見えました。バラ色に輝く空と海は朝焼けでしょうか。


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そしてやはり圧巻はルノワール...! 後期の肉塊作品は一つもなく(爆)、どれもルノワール絶頂期の輝くばかりに美しい女性たち。  

国立新美術館のルノワール展で見た美女たちとも再会できて嬉しかったです。


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↑左の《かぎ針編みをする少女》が、クラーク夫妻が最初に購入したルノワール作品とのこと。 流れるような金髪の美しさが印象的。 右は数年前のルノワール展のメインビジュアルの彼女です!


今回のメインビジュアル《劇場の桟敷席》は、元々、依頼主の娘二人の肖像画のはずが、依頼主が気に入らず引き取りを拒否。ルノワールが女性たちの顔を描き変えたそうですが、後ろの緞帳の中にも元々は男性像が描かれていたそうで、よく見るとうっすらと横顔が見えます(亡霊のようですが w) 


ルノワールにはめずらしい静物画も。《たまねぎ》はクラーク氏のお気に入りだったとか。

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そして風景画もなんて美しい...! 見ていると心が浮き立つようでした。

左はナポリ、右はベニスを描いたもの。

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ルノワールや印象派だけでなく、もう一つの大きな潮流というか当時の本流であったアカデミズム絵画も充実していました。 最近、アカデミズムの画家たちに興味がある私としては嬉しい限り。


左:ウィリアム=アドルフ・ブグロー 《座る裸婦》1884年
右:ジャン=レオン・ジェローム 《蛇使い》1879年頃


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ジェローム《蛇使い》 はリアリズム絵画のようでもありますが、現実にはありえない風景、フランス人の考えるイスラム世界を描いたものです。 壁はトプカプ宮殿に実際にあるもの、床はどこかのモスク。全裸の男の子がモスクの中で蛇にまかれる芸を披露するなど、イスラム教徒にしてみればテロを起こしたくなる絵ではないかと危惧してしまいますが、作品自体は素晴らしいものでした。


ロートレックの肉筆画2点も素晴らしい...やはりポスターとは別の迫力、ロートレックの天才さを感じます。


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最後はまた留めの一発?のようなルノワール、そして日本贔屓だったボナールでした。


左:《縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル》
右:《眠る少女》  これはレーピンの描いた眠る妻を思い出しましたね~  膝のネコがかわいい!


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左:《鳥と少女》 展覧会のトリということで鳥を持ってきた...と解説でおっしゃってましたが(笑)、最後の最後にどかーんとやられました。 



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この可愛すぎる少女は当時のアルジェリア総督の娘がモデルと言われましたが、当時はフルーリーという総督はいなかったそうで、結局真のモデルは今でも謎だそう。 画面がボケボケですみませんが、ぜひ会場で本物をご覧ください。


更に物販コーナーも魅力的です。 ちょうどバレンタインなので、ボナチョコを買わずには帰れませんでした!


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本当に宝石箱のような作品ばかり、すっかり魅了されました。 会期は長めですが、混雑必須かと思われるので早めに行くのが必定かと。 


青い日記帳主催のTakさん、美術館の皆さま、充実の企画をありがとうございました!

しばらく家族の大イベントで、ブログも休んでおりました。

ようやくそちらも終了し、また芸術活動に戻れる!と思った矢先、今度は成田屋の訃報を聞こうとは...(涙)


バレエと歌舞伎、私の愛する世界で激震が続いています。


バレエ界ではフィーリン襲撃や、仰天のパリオペラ座次期芸監の人選、マラーホフのベルリン芸監の辞任発表....どれも気が滅入ることばかり。 

先日のローザンヌでの山本くん3位入賞は、それでも嬉しいニュースではありました。

(さすがに今年はライブで見れなかった)


歌舞伎は勘三郎に続いて名優というか大黒柱を失ってしまい、いったいどうなってしまうのか...と暗澹たる気持ちに。


しかしどちらももうすぐお孫ちゃんが生まれます。輪廻転生、できっとお孫さんたちの魂の中に、蘇っていらっしゃると信じます。


そして勘九郎と海老蔵の大成を見守ることが、歌舞伎ファンたる務めでありましょう。


成田屋12代目市川団十郎丈のご冥福をお祈りいたします。



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