前回のブログ「定期借地権が設定された土地上にある建物の競売」■←前回
にコメントをいただきました。
「賃借権なら抵当権設定できないから従たる権利として移転するが地上権なら移転しない。
滞納者・抵当権者・その特殊関係者であれば移転しそれ以外なら移転しない。ということのようです。」
とのご指摘です。
ご指摘どおり、賃借権であれば抵当権は設定できません。
賃借権に質権を設定することは可能ですが、現在の日本では、不動産執行(抵当権実行)と債権執行(質権実行)を同時に進行することは不可能ですから、賃借権については従たる権利として移転する
地上権は抵当権を設定することは可能なので、あえて地上権に抵当権を設定しなかった以上、地上建物が競売されても、地上権は従たる権利としては移転しない
という考え方はあろうかと思います。
物件明細書の研究報告書にある既登記地上権のケースをあげたことがミスリードだったかも知れません。
むしろシンプルに、定期借地権であっても賃借権の一形態だから、抵当権の実行により地上建物が競売された場合には、従たる権利としては移転する、登記については別途、買受人が自分で解決する……という説明の方が良かったのかも知れません。
今一度考える機会を与えていただき、ありがとうございました。