先日、NHKで再放送されていた
「永遠についての証明」というドラマを観たので語りたい



大学の数学科に、特別推薦生で入学した3人の学生のお話


瞭司(杉野遥亮)…数学の天才で高校生のうちに論文発表している

その反面、数学以外興味のない超コミュ障


佐那(関水渚)…数学オリンピック優勝者だが、数学以外の分野にも興味がある


熊沢(竜星涼)…特別推薦生であり、数学オリンピック出場者でもあるが

他の二人に比べてコンプレックスがある



まあ、ネタバレしてしまいますと

突出した数学の天才が、誰も悪くないけど潰れていくストーリーです…

真顔え…



瞭司は数学以外興味がないんですが、大学ではじめて熊沢と佐那という友人ができ

同じ数学の問題に取り組むことではじめての青春を味わいます



が、やっぱり飛び抜けた天才ですので

一人だけ大学の広告塔的に飛び級させられたりして



佐那は興味が移って工学部に転部するし

熊沢は瞭司に比べて自分は凡人だと自覚しつつも、自分の数学の道を行くと決めます



三人がバラバラになりつつあるタイミングに合わせて

瞭司に理解のあった小沼教授(小澤征悦)に代わって

瞭司に厳しい平賀教授(筧利夫)が転任してきてしまい


瞭司の数学者としての人生も狂い始めます




最終的には瞭司は酒に溺れて早死に…



そ、そんなー滝汗



すみません、私このドラマみて




やっぱり人生、人間

バランスが大事

と思ってしまった



瞭司は数学の天才でしたが

その才能だけが突出しすぎてました



故郷でも周りに馴染めない描写があり

瞭司が人生楽しかったのって、大学入学後に熊沢と佐那と数学をやっていた時期だけじゃないんだろうか



やがてそのふたりがそれぞれの道を選んで離れていくのに焦り

またみんなで数学をやりたいと言う瞭司


現実は、もう昔みたいに同じ問題に取り組むことはできない佐那と熊沢…


でもこれ、佐那も熊沢も悪くないんですよね


凡人からしたら、一つのことだけに寝食を忘れてずっと没頭するということは無理だし

将来のことを考えて方向性を変えたり

興味の対象が変わるなんて当たり前ですよね



さらに言うと、瞭司と反りがあわなかった平賀教授

彼の言ってることもまた、それなりに正しいんですよ



すべては、瞭司が天才すぎたことによる不幸…

数学以外の部分があまりにも幼すぎた



瞭司はなんとか二人を繋ぎ止めたいと会いに行き

一方的に数学の話を畳み掛ける



違うそうじゃない…真顔


数学以外でも成長しろ瞭司…真顔



思えば、3人で瞭司の唯一の興味分野である数学について盛り上がれたあの時間が

奇跡の瞬間だったんですよね



めちゃくちゃマニアックなヲタクが

その分野の話題だけで仲間と盛り上がれる

そんなシチュエーションってなかなかないです



いくら天才でも数学さえあれば仲間なんていらないってほどではなく


瞭司にとって熊沢ははじめての友達だし

佐那には少し初恋みたいなところもあったと思う


ただし数学を介さないとコミュニケーション無理っていう



悲しい…真顔



瞭司の母(岸本加世子)のシーンがなんどかあるんですが


私がこのドラマでいちばん興味を覚えたのはこの方上差しです



瞭司のお母さん、

瞭司が天才じゃなくて

ふつうの子だったらいいのにって

思ったことありませんか?



正直こんなふうに上差し思ってしまいました




べつに我が子に陽キャになってほしいとは思わないし

出世してほしいとも思わない


なにか夢中になれることを見つけてくれたら嬉しいし

それが人と少し変わっていることでも構わない



だけど、

それで身を持ち崩すのはナシだ!!



それくらいなら凡人であれよ!!


器用貧乏バッチコイ!!

 

親のエゴだとは思いますけど、そんなふうに思っちゃうよなぁ



ドラマでは、瞭司亡き後
熊沢、佐那、小沼教授が瞭司の意思を継ぐ感動の展開になりましが


それに対しても
それぞれの胸にあるだろう罪悪感を思っていてやりきれない気持ちになりました


彼らは悪くない
すべては天才のアンバランスが産んだ悲劇…


我が子らよ
多少バカでも良い
平らかに育ってくれ


そう思ってなんだかドンヨリと哀しくなってしまいました


 

 原作本らしいです