おらおらでひとりいぐも
です
とってもカワイイけれども切ない
桃子さんが、外では「きちんとした優しいおばあさん」なのに
分身(寂しさ)たちと妄想の世界にいるときは
やさぐれた愚痴っぽいおばあさんになるところが好きでした

夫に先立たれ
夫との思い出と寂しさ
それとはまた相反する自分の後悔に気づきつつある桃子さんの世界は
分身たち(寂しさ)との妄想の世界はとても色鮮やかに描かれ
それ以外の現実のシーンは薄暗く色味が少なめで描かれます
ただ終盤、
縁側で一人でうたた寝をする桃子さんが、
急に色鮮やかに描かれます
分身の「寂しさ」たちもおらず、桃子さん一人の現実のシーンが
とても色鮮やかに描かれるのです
私はあのシーンは、
桃子さんが夫がいなくなったあとの現実の世界を
それでも楽しんで生きることを受け入れたということではないかと感じました

明るくて暖かいところでうたた寝をする気持ち良さ
目覚めたときに目に刺す光
吸い込んだ外の空気の心地よさ
そういうことは、年を取っても
いろいろなものを失っても
生きている限りは続く。続いてしまう。
だからそれを受け入れて感じよう、味わおう
と
決心するシーンだったように感じます

と、あとは
分身たちがかわいすぎ!!
おばあさんの寂しさを投影した分身なのに
なぜかタイプの違うおじさん三人組
豆まきのシーンが大好きすぎます



桃子さんは東北弁でくだをまくおばあさんになりきりつつも
時折、上品な洗練された老婦人ぽさが出ていました

田中裕子さんのお顔、めっちゃ好きなんですよねぇ
「おめぇたちゃ、おらだ!」