おはようございます。我が地方、本日は久方ぶりの晴天予報。嬉しくて早起きしてしまいました。
窓を開ければ空には一面の雲ー。
それでもところどころの隙間からは青空がのぞいているのでとりあえず雨はなさそう。
良い休日になりそうです。
季節は5月下旬。空は輝くほど青く気温は高くなっていますが湿度が低いのでカラッとしていてとても気持ちがいい。時折り涼風が吹き晴天の日が続き、例年でしたら1年で1番いい季節。
今年はそうでもありませんが(笑)。
僕の会社の前の通り。けっこう通学の小学生が行き来しています。先月入学したピッカピカルーキーの1年生諸君、見るからにベテランの高学年の小学生諸君。
※言い回しがおかしい(笑)。
たくさんの子供達がおしゃべりをしながら歩く姿も見ていると遥か昔の自分の小学生時代を不意に思い出したりもしたりして、なにか微笑ましい。
で、そんな小学生を見ていて、僕の頃と決定的に違うのは子供達の背負っているランドセルの色の豊富さ。
僕の時代って男子は黒、女子は赤って明白に決まっていたような気がします。ってか他に選択肢がなかったような。。。
その頃のお話をひとつー。
僕の通っていた小学校は当時千葉県で一番大きな小学校。児童総数は優に2,600名を超え、僕の学年も43,44名のクラスが10クラスありました。
※ですので秋の運動会のお昼は児童それぞれが教室に戻りお弁当を広げる。よくある校庭で家族と一緒のお昼ご飯など経験した事がありませんでした。だって両親、祖父母まで見物に来たら校庭に1万人以上の人々が集ってしまう訳ですから。
そんなマンモス小学校(わっ、懐かしいフレーズだ。笑)に入学した僕。クラスは1年7組。担任の先生は『そめやみえこ』先生、隣りの席の女の子は『さかさいともこ』ちゃん。ーだったと思います。
入学当初のドキドキ感も抜け、皆がだんだんと小学校に慣れて来たちょうど今くらいの季節。
放課後、子供達でごった返す下駄箱を出たあたりで事件は起こりました。
「お前のランドセル、おかしいなあ。」
聞き覚えのある声はクラスメートのⅠ君。声をかけられていたのは同じくクラスメートの哲夫君、哲ちゃん。
確かにそれは入学した当初から僕もずっと感じていたのだけれど。
その当時、赤と黒しかなかったと思われていたランドセル。なのに哲ちゃんのランドセルの色は海老茶色だったんです!
2,700人も児童がいれば他の色のランドセルの子供もいたとは思うんですが僕の記憶の中では哲ちゃん1人だけ。
哲ちゃんはⅠ君に何か言い返しました。またそれを言い返すⅠ君。
しばらくすると哲ちゃんの泣き声が校舎に響きわたりました。
「そんなんじゃねえ!そんなんじゃねえ!」
よほど悔しかったのか、大粒の涙を流し、あげくよだれをたらしながら号泣する哲ちゃんを僕達は遠巻きに見ているほかありませんでしたー。
あれから55年。Ⅰ君は残念な事に既に鬼籍に入ってしまいましたが哲ちゃんは今でも元気に働いています。工場の前を通る時にも僕の姿を確認すればクラクションを軽くならして通り過ぎて行くそばかすだらけのその顔はあの頃からずっと変わらないなぁ。
市内で働く数少ない友人の一人になってしまいました。
その後3年生のクラス替えで哲ちゃんとは別のクラスになっちゃったから、あの海老茶色のランドセルで小学校を過ごしたのかどうかは知りません。
もし55年前に戻れて哲ちゃんに声をかけるとしたらー
「ちょっと時代の先を行きすぎちゃったね。」
かな(笑)。
そしてあの時代、どんな事情があったにせよあのランドセルを受け入れた哲ちゃんの勇気。
※からかわれるかも知れないのをわかっていて。
僕にはありません。未だにありません(笑)。
下校途中の子供達の色とりどりのランドセルを眺めていると思い出す昔々のエピソードでした。
それでは。