2005年のジョブスのスタンフォード大学でのスピーチをご存知だろうか。
 
人生のドット(=獲得スキル)は後から振り返ると全て繋がっている、
未来に繋げようと思ってもそれはできない。後からしか分からないのだ。
 
私はあまり啓発系の本などは読まないタイプなのだが、このスピーチは響くものがあると思う。
ジョブス自身が大学を中退したことで、単位を気にせず好きな教科、カリグラフィーを学び、それによりアップルの美しいフォントが生まれたと語っている。このドットを認識することで、飛躍的に考え方が変わるし、転職をする際にも上手くいく確率が上がると思う。ぜひ、このスピーチを聞いてみてほしい。
 

※Steve Jobs のスピーチはこちら

 

私の場合も、振り返るとドットが繋がっている。

わらしべ長者のように、獲得したスキルが次に繋がっていき、最後に天職(ECコンサル)に行き着いたのだ。

 

 【ノコヴィッチのドット】

※赤字が獲得スキル

■商社 = 留学資金調達と、貿易実務

海外留学 = 翻訳理論、IT業界の未来予測

■衛星放送 = 翻訳者法律英語を学ぶ

■テレビ通販 = 仕入先開拓、海外売買契約輸入貿易財務諸表マーチャンダイジング

■Eコマース = マーチャンダイジング。事業部長としてP/L管理。聡明期でひたすらカテゴリー立上げ(プロマネ)

■ECコンサル = 海外事業立上げ(プロマネ)

 

ジョブスも言っているが、決して繋げようと思ってやってはいない。振り返って見ると繋がっていただけだ。

 

偶然か?いや、違う。かといって、ゲームの武器を集めるみたいに、ひたすら数を集めるほど人生長くはない。

 

では、どうすれば繋がるドットを獲得できるのか?

それは自分を信じるしかない。そして、自分がやりたいと思うこと(ジョブスでいうカリグラフィー)を愚直に追い続けることだ。私のポリシーは、周りに惑わされず(伸びている会社、有名な会社、給料がいいとかで会社を選ばない)、自分の基準で行きたい会社を選ぶこと。それなら、例え失敗しても自分の責任と思えるだろう。(これは、投資、資産運用も同じだ)

コンマリじゃないが、トキメキがない会社 or ポジションに行くべきではない。

転職しないのも、それが自分の選択なら、それで良い。因みに社内異動でもドットは稼げる。

 

今の時代、転職が当たり前になりつつあるようだが、選択肢が増えるのは良いことだと思う。だが、安易に転職する前に、本当にやりたい事なのかを考えるべきだろう。そうしないとドットは繋がらないからだ。繰り返すが、本当に好きか、ではない。本当にやりたいか、である。


もうひとつのポイントは、ジョブスが大学を中退したことが好転のきっかけとなっていることだ。中退を推奨する訳ではないが、マイナスに思えることも、良い面を探して好転のチャンスと捉えることの重要性だ。私も起業で失敗したが、そのプロセスで学んだことは後々役に立っている。会社の政治的な問題で見切りをつけて辞めたこともあるが、そのおかげで素晴らしい会社に転職できた。その時は何で?と思ったとしても、振り返って良い判断だったと考えるポジティブさは大事だと思う。

 

実は、このスピーチの最後にジョブスは、もう一つ格言を残している。

人生は短い。他人の人生を生きて、時間を無駄にするな。

世間の評価に惑わされずに、自分の信念を貫け。それ以外のことは、さして重要ではない。


 2005年にアマゾンに入社した時は、周りからはバカにされた。でも、自分のやりたいことを明確に認識して入社した。1995年(amazon, google, livedoor などが創業した時代)に留学した時に、ITの凄さを知り、その業界に行きたいと10年間思い続けていたのだ。これは、留学時のドット(MITマルチメディアラボのニコラス・ネグロポンテの講義を聞いたこと)が大きく影響している。

 

そして、当然といえば当然なのだが、人を採用するときには、その人のドット(スキル)を見て、そのポジションとのフィットを見る。そういう意味では、ドットは繋がりやすいとも言えるだろう。

 

これは結果論だが、ドットを繋いで転職を繰り返すと、必然的にどんどんフィットが高くなるので、面接において、会社から選ばれるのではなく、こちらが会社を選ぶ側になれる。だから、50代になっても何度も天職ができたのだろう。

 

これを意識するだけで、キャリア形成がうまく行く確率は上がるはずなので、ぜひ自分のドットを整理してみてほしい。