投資信託のコストが実際の運用に大きなマイナスをもたらすケース
それは、買い方売り方を間違う時です。
たとえば、販売手数料3.15%(消費税こみ)で信託報酬1.5%のファンドがあったとします。
買ったらすぐに3.15%のコストを負担しますし信託報酬は日割りで発生しますから、1年保有すると1.5%のコストが発生することになります。
つまり、このファンドを購入して1年後に4.65%の基準価格の上昇がなければコスト分マイナスということです。
では、2年保有したらどうでしょうか?
3.15%は購入時の1回こっきりですが、信託報酬は2年分で3%ですね。トータルコスト6.15%
これを1年あたりのコストに計算します。単純に÷2で3.075%
3年保有したら
トータルコストは7.65% 1年あたりのコスト負担率は2.55%
4年保有したら
トータルコストは、9.15% 1年あたりのコスト負担率は2.28%
つまり、コストに見合うだけの利益を確保しようと思うと、ある程度長期でファンドを保有してコスト負担の年率を下げていかないといけないということなのです。
でも一般的に投資信託を買う場合、まず銀行などで
「お勧めのファンド」を購入して、しばらくすると「もっといいファンドがありますから買い替えしましょう」とかなって売却して
などとなりがちです。
これではコストに見合うだけの利益はなかなか投資家には回ってこないのです。
これには、ビジネスの仕組みもかかわっているのでしょう。
一般的に投資信託を販売している窓口、銀行や証券会社は、販売手数料を利益をしています。
ようはお客様にファンドを買ってもらわないと儲けにならないのですね。
買ってもらっても、いつまでも持っていたら次の儲けにつながらない。
だから売って違うファンドをお勧めし買ってもらうわけです。
しかし投資信託を買う窓口はなにも銀行や証券会社だけではありません
私のようなファイナンシャルプランナーであっても、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の資格を持っている人間であれば、お客様に直接投資信託を販売することができるのです。
しかもIFAのビジネスは、販売手数料と信託報酬から受け取るコミッション
つまり、IFAはお客様によりよいファンドを購入していただき、長く保有しかつそのファンドの資産価値があがる(基準価格が上がる)とすなわち信託報酬から発生するコミッションが高くなるので、ムリな売買をすすめる必要は全くないのです。
そもそもビジネス形態が違うのです。
欧米では、IFAの知名度が日本より数段高く、IFAがお客様にコンサルを行いながらファンド選定をしていくプロセスが一般的だそう。
IFAからよいファンドを買う・・・こういうスタイルも今後増えていくでしょうね。