わたしは綺麗な女の子を観賞するのがすきだ。

 

 

幸運にも東京という大都市には日本全国から美女が集まってきて

 

 

対象には事欠くことがない。

 

 

山手線に乗れば一車両に一人くらい美女がいる。

 

 

オフィスでも営業女子には人目をひくタイプが多い。

 

 

人は美しいものを見たいという欲望を本能的に持っている。

 

 

綺麗なものを見ると癒されるように美人観賞も同じことなんだと思う。

 

 

 

 

 

 

静まり返ったオフィスである晩、キーボードを叩きながら

 

 

わたしは部署一美しい女の子の背中を見つめていた。

 

 

 

 

 

彼女は顔だけでなく容姿全てが美しかった。

 

 

余計な肉を寄せ付けない華奢な体と長く伸びた手足。

 

 

女性らしい豊かで丸みを帯びた胸。

 

 

顔立ちはどちらかというと面長で

 

 

切れ長の目と筋の通った鼻が調和を保ち、

 

 

肌は白く透き通って潤い、輝いていた。

 

 

彼女が目の前を通るとわたしは一秒以上見てしまうのだった。

 

 

それは反射的で本能的なことだった。

 

 

 

 

わたしから見えたその夜の彼女は後ろ姿だけだったけれど、

 

 

その美貌を観賞したいという欲望を止められずにいた。

 

 

華奢な背中と引き締まった白い足首がすぐそこにあった。

 

 

肌触りの良さそうなコットンシャツが

 

 

体のラインを隠すように隆線を描いていた。

 

 

そのことが想像をかき立てた。

 

 

 

 

残業が少ない彼女と

 

 

ひっそり同じ時間を共有できることが幸運なことのように

 

 

一人ほくそ笑みながら楽しんでいたわたし。

 

 

普段なら仕事を早く切り上げて帰ろうとする時間なのに

 

 

キーボードを打つ指はのんびりとしていた。

 

 

 

 

 

身長165センチ、体重は47キロ、バスト85センチ、ヒップ88センチ。

 

 

一度始まると勝手な想像は止まらなかった。

 

 

自分でも変態おばさん化しているなと思いながら

 

 

見ることを欲する貪欲な眼に抵抗することは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

それがいつものクセなのか

 

 

彼女は長い指で時折髪の毛をいじったり撫でたりしながら

 

 

パソコンに向かって何か考えごとをし始めた。

 

 

 

 

 

今どんな表情をしているのだろうと想像を働かせた瞬間、

 

 

彼女が突然振り向いてこちらを見た。

 

 

まずい、気付かれたかもしれない。

 

 

変態おばさんのようになっていたわたしは動揺しながら思わず目を伏せた。

 

 

 

 

 

人は見つめられるとその視線を感じ取ってしまうのはなぜだろうか。

 

 

今までもこんな風に振り向かれたことは何度もある。

 

 

きっと眼からは熱ビームが出ていて

 

 

その放たれた暖かい粒子が視線の先に届き、

 

 

粒子の熱に反応した人はそれに気づくのかもしれない。

 

 

そうに違いない。

 


 

まあ、勝手なこじつけかもしれないけれど

 


わたしのような女子鑑賞に熱が入りやすいタイプは

 

 

ビームコントロールに気をつけなければならない。