Copolyストリングに変える理由
現在CopolyストリングがATPとWTAで主流ですが、CopolyはPolyストリングにハイテクな素材を組み合わせたものです。
2004年に日本の科学者、Yoshihiko Kawazoe氏が行った実験でCopolyストリングがどの様にスピンを増加させるか超高速カメラでボールがストリングに当たる瞬間を撮影しました。Copolyストリングはボールと当たった瞬間に一度動いて、元の位置に戻っています。通常のストリングはボールと当たった瞬間に動いて元に戻らない事があります。皆様も多分経験したことがありますが、指で動いたストリングを戻さなければなりません。Copolyストリングは通常のガットよりも表面が滑るので元の位置に戻り、ボールが接触している時間内に元の位置に戻るので、この動作がボールにかかるスピンを増加させます。高性能Copolyのストリ ングだとスピンが35%増加します。
ATPとWTAツアー選手のほとんどは現在Copolyストリングを使用していて、テンション(張る硬さ)を大幅下げてスピン性を増加させることで早いスィング・ハードヒットをしてもスピンが掛かっている分コントロールも良くなります。ショットの質も「重いボール」になります。
10数年前のSampras選手やAgassi選手のボールはスピンが平均2000RPMしか掛かっていませんでしたが、現在は3500RPM以上がツアー選手の平均回転数になっています。理由はこの10数年間でラケット・テクノロジーが良くなり、Copolyストリングが主流になったからです。
Copolyストリングを張ると、打つ面が他のストリングで張ったときよりも比較的固いので腕を負傷する可能性がありますが、それを防ぐ為にCopolyで張る場合にはテンションを10%以上減らす必要性があります。または縦に通常のストリング(ナイロン性等)を張って、横にCopolyを張ることによって多少打つ面を柔らかくできます。こうすれば、ボールが当たった瞬間に縦に張ってある通常のガットが横に張ってあるCopolyの上を滑ってくれるので動いても元に戻ります。反対に縦にCopolyを張って、横に通常のストリングを張ると、引っかかってしまうので、ストリングは動いたら元に戻りませんのでスピン性が増加しません。Federer選手や他のプロ選手も横にはCopoly,縦には他のガット(ナイロン性やFedererの場合はナチュラル)を組み合わせて使っています。この場合縦と横のテンションを別々に頼んでもOKです(例えば横のCopolyストリングを若干緩め42ポンド、縦のナイロンストリングを45ポンド等)。
イタリアのATPプロ(トップ 100)で19ポンドで張っている選手がいるほど、現在は40ポンド台が主流、30ポンド台や20ポンド台で張る選手が増えています。
CopolyストリングでLuxilon(ルキシロン)社のALU Power RoughやBabolat(バボラ)社のRPM Blastは高性能ですが、価格的に高いです。しかし、ドイツのテニス雑誌でNo.1評価されたSignum Pro(シグナムプロ)社のストリングはAmazon.co.jp等で安く買えます。品質的には若干LuxilonとBabolatに劣るかもしれませんが、トッププロでも使っています(Mikhail Youzhny、ATP15位)。
もちろんYonex、Toalson、Gosen等の国産ストリングの内に良い製品はありますが、PolyではなくCopolyをお勧めです。ハイテク素材が加わっていないPolyですと、Copoly以上に打つ面が硬くなり、腕を負傷しやすくなり、スピン性もCopolyほどありません。
