こんにちは！
小児科医のジレンマシリーズのブログ更新です
小児科外来の過半数は風邪のお子さんが受診されます。風邪は基本的には自然治癒する病気です。
そういった診療の中で、「自然治癒する風邪でこんなに受診する必要があるのか」「どの風邪薬もエビデンスないのに、風邪薬を求めて受診する風潮がどうにかならないか」「我が子を愛するが故に不安や心配になり受診や薬を飲ませたい気持ちもわかるが、それ以外にもできることや大事なことはないだろうか」などなど、様々な思いが出てくるのが正直なところです。
我が子を愛するが故の行動であり、医師ではないので判断が難しいことも分かります。
ただ、熱がでた→受診、咳・鼻汁がでた→受診、となるのではなく、少しずつで良いので、知恵を蓄え、自身で判断できるようになっていくことが大切だと考えています。
本ブログの要点は、
①ほとんどの風邪は自分の免疫力で自然治癒する
②風邪のほとんどはウイルス感染であり、抗生剤は効かない
③風邪のような症状で抗生剤が必要となるのは、溶連菌感染、中耳炎、肺炎、副鼻腔炎
④風邪の症状は多くの場合、1〜2週間持続する
⑤効果が証明されている風邪薬はほぼない
⑥薬を飲ませることより、どんな状態の時に受診が必要かを知ることが大切
⑦子どもの自己治癒力を信じて寄り添ってあげることの大切さ
です。
これらについて少しずつ解説しています。
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今回は、
⑦子どもの自己治癒力を信じて寄り添ってあげることの大切さ
についてです！
人間には、
細菌やウイルスなど体内に異物が入った時に、
白血球が異物を排除しようとしたり、
より免疫が働くように体温を上げたり、
咳や鼻汁で体外に排泄しようとしたり、
自分の力で治そうとする自己治癒力が備わっています
怪我した時も、
炎症が起こることで死んだ細胞や細菌を排除し、
皮膚を修復する成分を含んだ分泌物がでて、
血管が伸びて栄養を運んできて修復する、
といった自己治癒力が働いています
まずは、
人間はみんな自分で自分を治す力✨をもっていること、
誰もがそれだけ素晴らしい力✨、内なるドクター🩺を持っているんだ！
ということをぜひ‼️思い出して欲しいです
お子さんが風邪をひいたとき、
何とかしてあげたい！早く治してあげたい！
という気持ちは我が子を愛する🩷がゆえの想いだと思います。
ただ、今までのブログでも書いてきたように、
風邪は基本的に自己治癒力で自然治癒する、
風邪薬に明らかな効果はあまり期待できない、
です。
そんなこと言っても、わが子のために何かしてあげたい‼️
と思われるかもしれません。
そんな時は、お子さんの側に寄り添ってあげてください
子どもはみんなお母さんのことが大好きです
その大好きなお母さんが、
自分のことを愛して側にいてくれる、
自分のことを、自分の治癒力を信じて見守ってくれている、
これがどれだけお子さんにとって心強く、安心できることでしょう。
お子さんが落ち着くまで寄り添うお母さんの根気強さも必要かもしれませんが、乗り越えた先にはより子どもの力を信じられるようになり、親子で成長したことを実感できると思います
側にいて何をすればいいかわからない！というときは、
今体の中で白血球がバイキンと戦ってるんだよ〜
白血球がより強く働けるように熱が出てるんだよ〜
咳や鼻水も体の外にバイキンを出してるんだよ〜
など話してあげたり
水分を飲ませてあげたり
お粥食べさせてあげたり
背中をさすってあげたり
添い寝してあげたり
など、出来ることをしてあげればいいと思います
もちろん無理は禁物なので、
1人で抱え込んだり、我慢したりして、自分自身が苦しくなる前に
周りに相談したり、病院にかかったりしながら、色んなことを考えながら学び、少しずつ判断できるようになれればいいと思います