◎ウズベキスタン旅行記 #23
10/23(水)快晴 【Rahmat, Uzbekistan!】
最終日の夜ごはん。
選んだのは、ガイドブックに載っていた「カラヴァン」という隊商宿風のレストラン。
再びタクシー配車アプリのYandexを使って車を呼ぶ。すぐにおっちゃんが迎えに来てくれた。
おっちゃんはなかなか運転に自信があるようで、暗くなってきたタシケントの街を飛ばす飛ばす。空港に向かう時間の関係もあり、一方通行の多いタシケントの街で迷わないか心配だった私はこっそりgoogle mapを開いてルートを確認しながら乗っていたのだけれど、途中でおっちゃんが急に「道を間違えた、ハッハッハ」と言いながら戻ったりする場面もあった。Google map上は道を間違えてはいなかったはずなのだが、ここで指摘してへそを曲げられても嫌なので、黙っておくことにする。なんだかんだあって、無事お店に到着。
カラヴァンの周辺は何軒かレストランが並び、いずれも系列店のようだ。隣には日本食レストランもあった。ウズベキスタンで供される和食というのも大変興味があったが、今回は最後の晩餐ということで、ウズベキスタン料理を頂くことにする。次回、隣も行ってみよう。
お店は広く、白い壁が美しい。幸いなことに並ぶこともなく、すぐに玄関を入って左手、奥の入り組んだところにあるテーブルに通してもらえた。隊商宿風を名乗っているだけあり、すこし洞窟チックで、壁にはいろんな地方の絵や布、壺や皿が飾られている。海外の人にも人気のお店のようで、隣ではヨーロッパ系のおじさまたちが8人ほどで食事をしていた。
さんざん食べたのでここでも頼むかどうか悩んだが、後悔はしたくないので最後のプロフを注文。すると残念なことに、プロフは売り切れてしまったという返事。市場でも見た通り、だいたいプロフは朝に大量に作って食べるので、昼過ぎにはなくなってしまうようだ。残念だが仕方がないので、マンティを注文してみる。
マンティもカボチャマンティと普通のマンティがあるようで、それぞれ半分ずつ頼んでみた。写真でいうと上側のカボチャマンティは蒸したカボチャがそのまま入っている。これはこれでおいしいが、甘すぎてスイーツっぽい。やはり普通のマンティの方が口に合う。
スープとしては、ショールヴァというものを頼んでみた。だいたいこちらのスープはトマトベースなのだが、これも例にもれずトマト味。ラグマンのうどん無しバージョンという表現が一番近いかもしれない。名前を忘れてしまったが、ソーセージ和えのサラダのようなものと一緒に、ツボルグビールで乾杯。
途中、トイレに行きたくなり、店の玄関まで戻ってからトイレの方向に進んでいくと、なんと奥の中庭席では生演奏が行われていた。完全に録音BGMだと思っていたが、使っている楽器は伝統的な楽器のようで、粋な趣向だ。月明りの下で行われる演奏にも味がある。次は、演奏が聴けるこの中庭席がいいな。
一通り食べてお腹も膨れたところで、時計をみると20時前。そろそろいい時間だ。お会計をして、宿に戻る。ちゃんとお湯の出るシャワーと、ウズベク特有の変なニオイのする石鹸で身体を清め、髭を剃ってフライトに備える。キャリーケースもかなり大きいものを持ってきていたので、お土産も収納完了。忘れ物がないかきっちり指差確認して、チェックアウトする。
空港まで戻るタクシーから、タシケントの夜景をぼーっと見ていた。
行きに見たのと全く同じような、近代的な「大都会」タシケントの街並み。そのなかに、各地で見た人懐っこいウズベク人の顔や、車窓から見た砂っぽい風景、イスラム建築や美術品・工芸品に特有の美しい幾何学模様が浮かんでは消えていく。
特に後ろから激突されることも、道に迷うこともなく空港に到着。時間にも余裕がある。この旅では最後になるであろうウズベキスタンでの一枚として、空港の写真を撮った。
あっという間の1週間弱だった。
最初に降り立ったときは、スリに合わないかとか、危険な目に遭遇しないかとか、実はかなりドキドキしていたのが懐かしい。結局危ない目にも一度も合わず、逆にいろんな人に声をかけてもらって、一緒に写真を撮って、日本では絶対に見られないようなものが見られて、本当に楽しい旅だった。
現地で友達もできたし、絨毯やストール、お皿ももっと買いたいし、絶対にまた戻ってこよう。日本の友人にもぜひウズベキスタンを勧めよう。そう自然に思わせるほど、素敵な国だった。
Rahmat! Uzbekistan!
(終わり)
※※※
以下、トランジットで立ち寄った初韓国の思い出も少しだけ記録。
タシケント空港では妙に時間をかける入国審査官に私だけ当たり、ウズベク帽をかぶったまま審査官の前に行ったら帽子をカポッと外されてなかに何も入っていないか確認され、保安検査場を通過したはいいものの既に空港内のカフェは閉まっていて飲み物も何も買えず、搭乗案内があってからもかなり長いこと搭乗待機列に並ばされ、最後に妙に厳しい手荷物検査を受けたものの、なんとか飛行機に乗れた我々は、帰りもトランジットで仁川空港に到着した。
行きと違って帰りは乗継時間がだいぶ空いていたので、外に出て韓国の街並みを見てみようという話になり、入国。空港鉄道に乗って、雲西(ウンソ)というところに行ってみることにした。目的は本場のスンドゥブを食べること。スムはほぼ使い切り、残ったドルでちょうどランチできるぐらいだったので、ドルを全部ウォンに替えてしまった。
韓国の空港鉄道はえらく近代的で、きっぷもなんだか可愛らしい。どうも何種類か絵柄があるようで、それぞれマナー案内のようだ。古今東西乗車マナーは変わることはないだろうから、このアイデアはよいかもしれない。
雲西の駅に降り立つ。ここまで来ると、もう日本とほとんど変わらない。歩いている人も、顔も、街並みもウズベキスタンのそれとは全く違うのが一目でわかる。帰ってきたな、という感じがする。日本にも普通にありそうな雑居ビルの1階にある、北倉洞(プクチャンドン)スンドゥブのお店に入る。
お店に入ってメニューを見てまず感じたことは、物価と単位が違いすぎること。高いのか安いのか、お金の感覚がわからなくなる。確かスンドゥブが8,500ウォンぐらいだったから、日本円にして7~800円ぐらいというところだろうか。お通し的なもやしナムルやキムチからして既にだいぶ辛い。韓国のりをぱりぱり貪りながら、ビールで喉を潤す。
スンドゥブが出てきた。それはもう、見るからに辛そうで煮立っている。辛いものを食べるとすぐに汗をかく私だが、今回も例には全く漏れなかった。付け合わせの古代米ご飯のようなものと一緒に、ひいひい言いながら食べる。しかし、うまい。
食べ終わったところで、少し街並み散策。近くにロッテのお店があるらしく、見に行く。なんだかとてつもなく大きな買い物カートが並ぶ入口を抜け、店内へ。店内の棚も全て高く、何より売り場面積が強烈に広い。日用品から何から、全てそろっている。ワインショップでウズベクワインを探したが、さすがに置いていなかった。しかし、日本のビールや食料品は大量に置いてあった。オリオンビールの名前が「OKINAWA」になっている…。そりゃ、SAPPROと対比できてわかりやすいだろうけれど。というか、買う人いるのね。
ショップを一通り見て、そろそろ時間だということで空港鉄道に再度乗り、仁川空港へ。
韓国からの出国審査はめちゃくちゃシステマティックで、カメラに顔を見せるだけ。パスポートにハンコも押されない。スタンプラリー的な意味でハンコもらっとけばよかったかな、と少し後悔したものの、でかでかと「戻らないでください!」と書いてあったので、どうしようもなかった。残念。
韓国から関空までは、まさにあっという間。これは確かに何度も行く人が出るわ。韓国と台湾が、お手軽に海外に行ける最短距離だと思う。台湾は何度か行ったことがあるので、次は韓国をじっくり見てみてもいい。そんなことを思いつつ、修学旅行生に囲まれながら、マリオが出迎えてくれる関空に到着した我々であった。
次はどこに行こうかな。
個人的にはイランか新疆かロシアに行きたいと思っているところだけれど、コロナウィルスの関係でそもそも出国も危うそうだ。本当に、ウズベキスタンに行ったころ、あるいはこれを書き始めたころにはこんなことになるとは思いもよらなかった。ウズベキスタンの皆様は大丈夫だろうか。
落ち着いたら、ウズベキスタンも再訪したいし、他の国にも行ってみたい。
おすすめの国があれば、ぜひ教えて頂きたい。
本当に、旅とはいいものだと改めて感じた6泊7日の小旅行だった。
さて、そろそろ旅に出よう!
(完)














