通信制大学のスクーリングで先生が名前を挙げた『小公女』を読んだ事から始まり、3冊目のバーネットの作品です。
古いお城に住み、身の回りを世話してくれるお付きの人々とひっそり暮らす少女には他の人には見えない白い人たちが見えます。彼女はとりわけ美しいわけでもなく、人を惹きつけるような特別な女の子ではありませんが、素晴らしい作品を執筆する作家と彼のお母さんにはとても必要な存在になりました。彼女は彼らに必要な存在であり、彼らは出会う運命にあったのです。
大事な人の死は残されたものにとって辛い事です。姿は見えないけれどいなくなったしまったわけではなく、いつもそばにいてくれて残った人達を守ってくれていると私は思っています。なので、この作品を読んでとても嬉しくなりました。内容は実はとても重いのですが、読みやすく、素敵な美しいお話でした。今年は年の初めから素敵な作品に多く出会えて嬉しいです。素敵な1年になりそうです。バーネットの作品はまだあるようなので全部読みたいと思っています。
『白い人たち』
F・H・バーネット著
砂川宏訳、文芸社
2005年