2年前にとあるレポートを最初に提出した際に、「"文学を論じる"と言う事から学び直しなさい」とコメントがありました。レポートの書き方について大学の方から紹介されている本はありますが、「文学を論じる」と言う事についての本は紹介されていません。果たしてどうすれば良いのか?

 

私は短大の英文学学科を卒業しています。しかし、大学ではそんな事は習いませんでした。私の時代、短大の学部は途中レポートを出さなければならない事もなく、卒論もありませんでした。なのでレポートを書くと言う事について学んだ事はありませんでした。

 

もし私が今学んでいる通信制大学の通学生だったならば、教授に質問できたのかもしれないのに.....と通信生である事を残念に感じました。相談できる人もおらずネットでキーワードを入れて「文学を学ぶ」ことが学べる本を検索したところ、見つかったのがこの本でした。

 

 

この本はタイトルの通りに「文学」をどのように学べば良いかを小説、劇、詩歌に分けて書かれています。後半はテストに向けての勉強方法、練習問題や解答も載っていて非常に判りやすいのです。

 

私が提出したレポートはどこが悪いかは指摘されていましたが、その理由やどのように直せば良いかのアドバイスはありませんでした。ここもダメ、あそこもダメ.....とダメダメばかり.....そのダメが何故いけないのかが、まるで私のためのように書かれていて、私のレポートが本当にダメダメな事が判って恥ずかしくなりました。

 

最終的にこのレポートは合格し、それ以降は他のレポートで論じ方について指摘される事はなくなりました。勿論レポートは1回で合格するに越した事はないですが、厳しいコメントは先生が意地悪なのではなく何かを教えてくれようとしてくれていると言う事であり、その方法は最初から教えてもらうのではなく......大変でも自分で探す方が結果的に自分のためになると言う事を教えてもらったのだと思います。

 

この本も卒論に向けて購入しようと考えている一冊です。今回読み直してみて、その厳しかったレポートの先生に指摘された事、他の先生が授業中に余談として話して下さった事の重要性を再確認できました。レポートの書き方だけでなく、文学を学んで論じるためにとても役立つ本だと思います。

 

 

『文学の学び方ー付/論文・レポートの書き方』

L. T. ディキンソン著、上野直蔵訳

南雲堂、1982年