三浦市の図書館(分館)で、谷崎潤一郎の『春琴抄』が載っている本を探した所、全集しか見当たりませんでした。色々なお話が1冊に収められているのは良いのですが、きちんとした姿勢で読まないといけないのでちょっと面倒でした。とは言え、興味深いお話が多かったので課題の本と違い、次から次へと読むことが出来ました。私が読んだ本の画像は検索できなかったので該当するお話の表紙を紹介します。

 

『刺青』、『少年』、『小さな王国』、『母を恋うる記』、『春琴抄』を読みました。

 

 

 

 

『蓼喰う虫』、『猫と庄造と二人のおんな』、『少将滋幹の母』、『雪後庵夜話』は読みませんでした。

 

他の話を読んだ事がないので判りませんが、谷崎潤一郎は狂気的と言うか主人公がサディスティックな印象を受けました。しかし、そのクセのあるところが面白く、次にどんな事が起こるのだろうというドキドキ感がありました。

 

『少年』と『小さな王国』はシュールな話。『母を恋うる記』はタイトルの通り悲しさが漂うお話。『春琴抄』は異常でありながら純愛の話でした。春琴抄は山口百恵主演の映画をTVで見た事があります。大体小説の通りですが、読む事でバックグラウンドが明らかになりました。山口百恵は「春琴」のはまり役だったと思います。

 

 

個人的に一番良いと思ったのが『刺青』です。魂を映して入れ墨を彫る主人公と入れ墨を刺されて本当の自分を受け入れる女性の狂気的な様子がとても興味深いお話でした。

 

最後まで読まなかったお話は、最初の数ページで自分の好きなタイプではないと止めました。ネットで粗筋を探すと夫婦や妾などの話(谷崎潤一郎本人に起こった出来事)とあり、更に読む気がなくなりました。今は随分我慢して本を終わりまで読む事が出来るようになりましたが、通信制大学に編入した最初の頃の本に対する本能的感覚はまだ健在(?)なのだと思いました。

 

直接課題に関係ない読書は今週半ばまでになります。少しづつ進めてきたテキストの勉強が終わるのでそちらの方面の本を読もうと思います。

 

『日本の文学 谷崎潤一郎(一)』

谷崎潤一郎著、中央公論社

昭和39年