2010年の読書記録です。

 

 

正体不明の(!?)浮浪児の様な少女モモが街に急に現れて、円形劇場の廃墟に住み始めた。モモは不思議な女の子で、町の人達は彼女に悩みを話すだけで自分で解決方法を見つけ出す事が出来た。そんなある日「灰色の男たち」がやって来て、街の住民を騙してみんなの時間を奪っていった。モモは大好きな友達やみんなを助ける為に時間の国に行き、カシオペイヤと言う亀と一緒に皆の時間の花を取り戻す。

前回感想を書いた『はてしない物語』と同様に、読み進める内に頭の中でイメージが膨らみモモの世界に入り込みます。街の風景、モモの友達のジジやベッポ、灰色の男、カシオペイヤや時間をつかさどるアイスター・ホラの様子。大きな蓮の花の様な形で色は薄いピンクやオレンジの時間の花等々。読者にこれだけ想像を膨らまさせる事が出来る物語が書けるエンデはすごい作家だと思います。

私の感想やあらすじを読んだだけでは、幼稚園~小学校低学年向けのお話じゃないだろうかと思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、この物語には、心のゆとりの大切さや人間の生きることの本当の意味が現されています。読む年代によって色々な捕らえ方が出来る素晴らしい本だと思います。