2009年の記録です。当時子供がやっていた公文の勉強で、「続きが読みたい!」と言う事で買った本です。

 

 

最後の家族が島を離れ、オイノ島は無人島になった。
島に1つしかない公衆電話は、船の事故や故障で助けを求めにやってくる人達の為に残された。
島を出て、ふた月。新しい生活を築くためオイノ衆は、親も子供達も必死だった。
ある日、久助村長は島に電話をかけた。
すると、なつかしい波の音、家の木、戸のなる音がきこえてくるではないか.....。
村長はオイノ衆に島の話を手紙でつたえはじめた。

 
村長、島の大人や子供達、そして離島に決まる前に島を捨てて他の土地に移った人達の新しい土地での思いとオイノ島に対する気持ちが良く表現されています。又、伊東寛さんのほのぼのとした挿絵も手伝ってくれて、自分の中でのオイノ島のイメージが膨らみ、まるで画像を見ているかの様な気持ちになりました。

作者の三谷亮子さんはこの本を出版する数年前、離島に決まった小さな島に、電話がひとつ残される事になったと言う新聞記事を見つけたそうです。村長は人々が島を去った後に電話をかけに来るかも知れない人のために、十円玉をたくさん用意したと書かれていたとのことでした。作者は住み慣れた島を離れて生活する島の人達自身が一番大変であるのに、自分達の事よりも人の心配をしている気持ちに強く打たれてこの本を書いたそうです。

故郷と呼べる場所がない私にも故郷の懐かしさを教えてくれるような素晴らしい本でした。子供だけの本にするのには勿体ない!親子で是非読んで欲しいオススメの1冊です。